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思うこと:MR.BIGというバンドのこと

 私は2ndまでのMR.BIGが好きだったのかなと、改めて思いました。いい悪いとかではなく、あくまでも私の好みでしかありませんが、ビリー・シーンがバンドの中心から、メンバー全員がバンドの中心になろうとした段階で、私の興味は薄まっていきました。

 ビリー・シーンが作っていったバンドということで最初は彼が中心になるのは仕方がないとはいえ(当時の知名度や人気も彼が一番でしたし)、彼自身は当初からメンバー全員が主役のバンドを目指していたと思いますし、彼が一歩引いた立場というか、他のメンバーをもっと前に出そうとしたという側面もあると思います。

 エリック・マーティンは、ボーカルとして自分こそが中心・主役にならないといけないという気持ちが強くなり過ぎたのか、そこでビリー・シーンと摩擦が起きて、それに辟易してポール・ギルバートが脱退するという事態を招いてしまいます。(それだけが原因ではないのですが。)

 結局、ビリー・シーンとエリック・マーティンの火種は燻ったまま、リッチー・コッツェンを迎えた編成もアルバム2枚だけとなり、ビリー・シーンを残りの他のメンバーが解雇するという事件が起こり、それが発端となり解散してしまいます。

 再結成後のバンドは、手堅いバンドになったなぁという印象でした。うまいんだけど、微妙に混ざり切っていないようなモヤモヤした感覚があったのは正直な気持ちです。メンバーも歳を重ねていますし、音楽感の変化もあったでしょうし、当然と言えば当然なのですが、初期の質感を期待してしまった私の嗜好とはミスマッチでした。

 結成当初のMR.BIGは個人的には理想のバンドで、私がもしバンドをやるならこういうバンドという憧れでもありました。その思いが強くて、バンドの変化に対応していけなかったのですが、そういったことも含めて、私には特別なバンドだったのかなと。(もう一つ、自分がバンドをやるならこういうバンドがあって、それはFREEです。)

 演奏力は凄く高くて、とんでもないことをさり気なくやったりしてるのに、ごっつ聴きやすいというか、耳馴染みがいいというか。曲がPOPでいいというのもあるんだろうけど。本当に稀有なバンドだったと思います。

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