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働きたくない:自分の店を持つこと

 以前、少しの間だけですが、パソコンの初期セットアップをする仕事をしていたことがありました。振り返れば、パソコンの知識もそんなにないのによくやっていたなと、恐怖します(笑)。色々なお客様がいて、今となっては面白かった仕事だったなと思います。

 私は無邪気に、今回はどんなお客様かなと思っていただけですが、相手にしてみれば、どんな人が来るのだろうかと、家に招き入れるわけですし、怖さはあったのかなと、これも今になって振り返れば思うことです。

 印象に残っているお話の一つですが、郊外の住宅地、本当に周りには一軒家の住宅しかないという場所にあるお客様の所へセットアップの作業で伺うことになりました。資料には店舗と記載されています。失礼ながら、住宅ばかりのところで店舗?と疑問に思いました。しかも、雑貨屋さんです。

 まれに同じような住宅地の中でポツンと生活必需品を売るお店や喫茶店、理髪店・美容室は見かけたことがあったのですが、雑貨店というのは当時は記憶になく、そもそも人通りも決して多くはない場所に雑貨店をオープンしてやっていけるのかなと思っていました。

 お店の経営者の方が依頼主でしたが、特に普通の対応で、セットアップ中にも色々とお話をさせていただいたのですが、どうやら、お店を開くことが夢、目標、目的であって、その後の運営(経営)は全く考えていないみたいでした。お店を開けば自動的にお客様がやってくると考えられていたようです。

 そのお店は住宅地の一軒家の1階部分を改築したもので、そんなに広いわけでもなく(10畳程度)、置いてある商品にも何か目玉になるようなものも見受けられず、仕入れも経営者の方が積極的にやっているという感じは見受けられませんでした。

 品揃えについては、まだ開店したばかりで仕入れ途中の段階なのかなと思っていましたが、お話からはそうではなく、今の状態が完成形のようでした。本当に店を開くことで終わっていて、大事な品揃えのコンセプト等も考えてはおられないようでした。

 この方を批判したいという意図ではなく、私がこの仕事をしていたときはこういう雑貨屋さんをやるのがブームだったのか、この方以外でも仕事を通じて何人か同じようにお店を開いた方とお話させていただいたことがあるのですが、ほぼ似たような内容でした。

 私はお店を開きたいという気持ちは全くありませんが、もしお店を開かないといけないとなれば、どのような系統のお店をやるのかは勿論のこと、立地場所、家賃地代、光熱費、その周辺に何があるのか、人通りは多いのか少ないのか、初期費用と運用費用はどの程度か、というのは考えないといけないですし、最低でも半年は無収入でもやっていけるだけの資金(仕入れ費用含む)の準備がいると想像するのですが、お店を開くことが夢だという人は、そういったことを想像していない人が多かったというのが衝撃でした。

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