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おれのツールドフランスday3🇫🇷 クロワドフェール峠へ


実は天気予報が芳しくないここからの1週間で、唯一1日中晴れる予報だったのがこの日。

前日のライドのダメージはルートスペック(170km/2700mUP)の割に大きかった。おそらく暑さのせい。この街は夜も暑い。

部屋に籠っててもやることないし、しっかり補給すれば大丈夫だろうと考えて準備開始。

今回の目的地はクロワドフェール峠。ラルプデュエズの北西に位置する標高2000mほどの峠だ。"アルプスで最も美しい峠"とされ、インスタでもアツシさんにおすすめされた。

基本的には同じ方角なので、前日と同じルートで峠の麓の村、アラモンを目指す。道を知ってるだけでもだいぶ気楽。知らない土地のライドは、初めての道であるだけでもかなり気を使うものだと思う。

月曜な分交通量が多かった。それでいて、サイクリストも多い。これは旅をするにつれて感じることだけど、フランスは曜日関係なく行楽地には人が多い印象を受けた。サイクリストはいつでも見かける。休みが取りやすいんだろうけど、日本とのギャップを感じたポイントだ。


無事アラモンに到着。いちいち村が綺麗で素敵だ。

マークしていたパン屋さんにログイン。峠の麓だけあって、サイクリストも多くいた。


本場のパリブレストは美味しかった。水もボトルに入れていざ出発。

ここからは27kmの長い登りだけど、標高差は1200mほど。たいした斜度ではないだろうと思って気楽に登ってたら。

写真じゃわかりにくいけど、ずっと10%だった。しかもかなり暑いので、登ってるだけでもしんどい。前日の暑さによるダメージの影響もあるだろうけど、心拍が高止まりしていて良くない状態だった。残り距離の看板を見るたびに"まだこんなにあるのか…"と峠を登っていて感じるのはいつぶりだ?初心者のような感覚になった。

それでも"漕げば進む"のが自転車。オーバーヒートするほどではないのでとにかく進むのみ。その先に絶景があるなら…

斜度は緩んだりキツくなったりで、かなりメリハリある道だった。10km地点くらいにカフェがあったので、水の補給を依頼。情けないが、ちょっとやばい感覚があった。本当に暑い。もっとウォーターローディングしていかないと間に合わないなと反省。

水を飲んだら回復したものの、なんとここから一気に下りセクションに…これは参った。


でも景色は素晴らしい


登り返しは14%近い直登。他のサイクリストもかなりしんどそうだった。特に4サイドバックの旅人はダンシングで蛇行するほどになっていた。

励ましながらパス。急勾配をこなすと徐々に斜度が緩くなり、湖に出た。

この辺から斜度は緩み、徐々に景色も開けてきた。まさに地獄から天国に。横も後ろも前も、天国のような景色が広がっていた。

この途中にグラノン峠というのがあるので寄り道。ここからの景色もまた素晴らしかった。

ここでこれだけすごいならクロワドフェール峠はとんでもないことになるなぁなんて思いながら残りの道を。終わるのが惜しい。

登頂すると、全方位に絶景が広がっていた。

自転車やってなかったらこの景色は見られなかったと思う。日本だけでもそんなふうに思うことばかりだけど、アルプスに来てなお感じた。

頂上には峠の茶屋、というか普通におしゃれなレストランが。ハンバーガーを注文したんだけど、これがまた絶品だった。ポテトも多いかと思ったけど、軽く食べられた。塩分補給にもなったかも。

だいぶゆっくりして、この後の行程を考える。日没まではかなり余裕があるし、来た道を戻るのは味気ない。かといってさらに山奥に行くほどの時間はない。

そこで…地図を見ると北上した先に鉄道があることに気づいた。在来線なら解体せずに自転車を乗せられるし、滞在地にもすぐ帰れる。それでいて知らない道をまた走れる。これは良い。

ということで、グラノン峠に戻ってから反対側に下り、北上することにした。

このダウンヒルがまた最高…道は悪いけど。ツールの選手はこんな道を100km/h近くで降ってるのか。信じられない。

下り切ると、かなり暑い。時間にして15時くらい。フランスは15〜17時が暑さのピークになるというのはこの日で痛感した。

この後の行程は上りはないものの、暑さにかなり苦しんだ。単調な県道をひた走る。クロワドフェール峠を出る前は、帰りの途中に峠を追加しようと思ったけど、そんな気が失せるくらいには暑い。

それでも県道は面白くないので、横道の田舎道に入った。ライドの質を上げるための悪あがきだ。

この選択は正解。日本の田舎道にも似た雰囲気でなんだか落ち着いた。

結局アップダウンもこなして、160km/2500mUPのライドになった。モンメンリアンの駅で無事切符も買えて電車待ち。自転車をバラさずに気楽に電車を使えるという体験の心地よさばかりは自転車乗りにしか分からないだろう。行程の柔軟性が一気に上がる。

ただ、日本でも輪行セットさえちゃんと持ってればこれはできる。帰国したらもっとそういうライドをしようと思った。

電車旅を終えてもまだ日は明るい。駅前のカフェで一息ついてから宿へ戻った。4日目にしてだいぶ体は疲れを感じる。考えてみたらここまで飛行機移動から即3時間ライドして、その後も2日連続山岳ライド(酷暑のおまけつき。)

そりゃ疲れるわ。一旦休みを入れるか…と思いながらもGoogle mapで周りの山を探し、22時の日の入りで眠りについた。



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