あ、もうおしまいだ。

ばあちゃんと一緒に作って食べたしゃぶしゃぶ。ちょうど食べ終わった頃にお母さんが帰ってきた。

おれはお母さんに、お母さん、食べり。といいおれは茶碗を下げ、少し席を離れた。別にどうでもよかった指輪を探してるふりをして、お母さんと対面で座る心の準備をしていた。そしてテーブルに戻り座ると、お母さんは食べ終わり、スマホで動画を見ている。こっちに目を合わせない。

髪は、7時からでよかね?と言い残し、スマホと共に寝室に行った。髪を切ってもらう約束だった。バスは21時発なので、30分一眠りするらしい。  

新しい仕事はどう?
ちゃんと食べよる?
彼女できたね?

世間一般では、こんな会話をお母さんとするのかな。お母さんと目を合わせて話した記憶はもうない。駅まで車で送ってもらう予定だったけど、電車で行きたいんです。もうお小遣いもくれないでください。

お母さんはわかっていませんね。
もう会わないってことを。でも自分の中でも自信がない。またここに帰ってくるのかもしれないと。ただ母に対する愛はオブラートのように薄くなっている。

涙も出ない。
ため息もでない。 
ただ唖然としている。

たぶん、もう、おれのお母さんは病気だな。どうか死なないで下さい。生きてください。

僕のお母さんに対する愛はもう消えました。
メリークリスマス。

2022.12.25日曜日

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