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障害は武器になる

 誰も好き好んで障害者になった人はいません。最初から障害を喜べる人もおそらくいないでしょう。私は先天性の肢体不自由で「脳性麻痺」という診断が下っていますが、今ではこのような身体で産まれてきたことに後悔はしていません。唯一あるとすれば、(様々な制度を活用しているため)手続きの書類が多すぎることくらいでしょうか。
 繰り返しますが、私も最初から「障害は武器になる」と肯定的に捉えていたわけではありません。最初はむしろ否定的でしたが、様々な経験をする中で、プラスだと感じることが多くなりました。今では(多くの時間を)「先天性で良かった」と思いながら過ごすことができるまでになりました。

私の日常

 外出をすれば、子どもが電動車椅子めがけて指をさしながら寄ってきます(子ども好きの私にはこれがたまりません)。それは、私の車椅子がユニークだということもありますが、幼い子はどうやら、電動車椅子が勝手に動いていると思っているようです。そんな私が電車やバスに乗れば、かなりの確率で大人の駅員や運転手にまで「このタイヤ珍しいですね」と声を掛けられます。(前輪の1つひとつの凹凸が回り、そのフォルムはまるでカタツムリ…!?)また、『国際福祉機器展』(毎年9月下旬~10月上旬にかけて、東京ビックサイトで3日間にわたって開催される、世界の福祉機器が一堂に会する展示会)のような大きなイベントに足を運んだ際には、見知らぬ外国の方から「一周回って」という謎のリクエストをいただいたこともありました。

 そのフォルムから度々外車に間違えられるのですが、純国産車です。

”障害”が目に見えることの1番の武器

さて、そんなわけで話はかなり逸れましたが、もうお分かりのように私が「ファーストトーク」に困ることはまずありません。いつも「つかみ」に困ることなく(自称)口下手な私も日々を楽しんでいます。本当に相棒の電動車椅子には感謝です。
 障害者として生まれてきたからこそできる体験があります。車椅子に乗っていたからこそ出会えた人もたくさんいます。そして、私だからこそお伝えできることがあると信じている今の自分がいます。
 そう考えれば、この身体も案外捨てたもんじゃないですね!

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