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落ちたら坊主、受かったらパンチ

これまでのまとめ

 入社と同時に日本社会事業大学の通信教育で社会福祉士養成課程の履修を始めたものの、仕事と1人暮らしの両立は容易ではなく、うつ病を発症してしまった私。1年7カ月のカリキュラムはなんとか終えたものの、まもなく迎えた1度目の試験は不合格。結果はある程度予想できていたので、すぐに切り替えることができました。

社会福祉士国家試験のしくみ(・・・自身の玉砕をごまかしてみた!)

 社会福祉士国家試験は、毎年1月下旬の日曜日(※当時・・・現在は2月初旬の年もあるらしい)に行われます。科目は19科目18カテゴリー(就労支援と更生保護は1カテゴリー)。1問1点、150点満点の6割前後(90点)が合格の目安ですが、総得点に関わらず1科目(カテゴリー)でも0点科目があると、その瞬間に不合格となってしまいます。
 私が初めて受験した2013年(第25回)の合格点は72点、合格率は18.5%でした。例年の合格率は30%前後。受験生全体の出来に合格率が変動するとはいえ、5割以下で合格という事実に衝撃を受けました。急激に合格率が下がってしまった要因は、この年から「五肢二択」問題が出現したことにあります。近年の合格率は概ね横ばいですが、この年は手も足も出ませんでした。

翌年の合格が至上命題となった”3つの理由”

 このような不測の事態があったとはいえ、翌年はなんとしても合格しなければならない理由がありました。なぜなら、まさに2014年から社を挙げての一大プロジェクト、『重度訪問介護従業者養成研修』の講師に尊敬する上司や後輩とともに抜擢されることが決まっていたからです。そしてこの時期は幸い、うつ病からの復帰の過程で仕事量をセーブしてもらっていたこともあり、(こんなにも恵まれた中での受験は)事実上のラストチャンスと捉えていました。
 そんな中、試験前に同僚から「落ちたら坊主だよね?」と言われたのです。病気を発症して以降、自分への自信のなさから、社内でも特定の人としかコミュニケーションを取れない状態が続いていましたが、そんな状態も少しずつ改善し、周囲も徐々に病気を気にせず接してくれるようになってきていました。もともと、今回こそ不合格は許されないと自分にプレッシャーをかけていた私に、「坊主阻止」という新たな目標もできました。

合格発表で待っていた”落とし穴”

 再発することなく試験を終え、迎えた合格発表当日。私は努めて冷静に振る舞い、同僚にその日を告げてはいませんでした。しかし、そんな日に限って「合格発表いつだっけ?」と直球の質問が飛んできたのです。こうして結局、同僚が見守る前で結果発表サイトにログインすることになってしまいました。
 結果を見た瞬間、私以上に喜んでくれたことは何よりも嬉しかったです。その瞬間、「落ちたら坊主ね」と言われていたことを思い出しました。「ヨシ!」と思ったのも束の間、「受かったらパンチだったよね!?」という声が・・・(笑)。
 「聞いてない!」と思いながらも、翌日にはサイドを刈り上げて出社した真面目な私。社員からは総出で「甘い!」と突っ込まれましたが、やっとチームの一員として戻って来ることができたような気がして嬉しかったことを、今でも昨日のことのように覚えています。

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