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子どもの目

前回noteを書いてからひと月以上が経ってしまった。しかもシリーズの後編が書きかけだから、次はその続きを書かなければいけない、と自分を縛りつけていた。

だから色々あったこの期間、余計に筆が進まなかった。ノルマを作ることで自分の行動を制限してしまっては元も子もない。固く考えずに書きたいことを少しずつ書いていこう。そう思い直し、初めてスマホからnoteの記事を書いている。

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先日、約1年ぶりくらいにジュンク堂のオンライン書店『honto』が主催する【ペアドク】なるものに参加した。

【ペアドク】とはペア読書の略で、数人のグループに分かれて同じ本を30分ほどで一斉に読み、ルールのもとに感想をシェアするというものだ。(※ここではやり方の説明をしたいわけではないので詳細は割愛するが)今回は『嫌われる勇気』の著者である岩見一郎さんの『数えないで生きる』を読んだ。

正直、僕はこの本のことも著者のこともよく分かっていなかったが(※嫌われる勇気は読んでいる)、イベントのポップ『立ち止まって自分にとって大事なことを考える2時間』というワードに惹かれて参加した。

ペアドクの良いところは、後のアウトプットが義務づけられているため集中して本が読めるところにある。普段積ん読が増えてしまうという人でも、だ。

人に何かをアウトプットすると決まっているだけで、脳は必要に駆られるらしい。30分で200ページ超えの本を読むことは到底不可能だ。主催者からは「コレだ!と思う言葉を1~2つ、見つけに行くくらいの軽い気持ちで」というアナウンスがあった後、僕たちは30分というショートトリップに出た。


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これが、僕が読みながら拾った言葉である。正直、全体の1/3も読めていない。

小さなテーブルにPCと本を置き、片手でページを抑えながら利き手で刺さった言葉をメモするという”ながら作業”は、先天性の脳性麻痺という障害特性ゆえに難しい。そもそも限られた時間の中で読みながら、途中で筆記し、また集中力を保って本の世界に戻っていくこと自体、なかなかのハードルなのだ。

さらに明かすと上の3つは「はじめに」から抜粋したものだし、最初こそ目次をクリックして興味あるテーマにジャンプすることができるが、以降はそうはいかない(から飛ばし読みした)。それに今回は常時出るはずのページ番号も出なかったので、共有の際に苦労した。

それでも、諦めなければ方法はあるいうことも、事実として付け加えておきたい。尚、今回はPCでの電子書籍という方法を取った。


子どもの目

おかげで、120名近い参加者が(無作為に選ばれた)3名ずつに別れて行う”感想シェア”の時間も無事終わった。その中のおひとりが、なんと1年前に東京の会場で同じグループになった方だったのだが、以前一緒になったことを覚えていて、「長野さんお久しぶりです!!」と声を掛けて下さったのだ。もう1人は沖縄の方だったから、おそらく全グループの中で1番遠距離だっただろう。でも1番近距離で盛り上がったと思う。本当に嬉しかった!


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ところで、質疑応答は著者の岩見さんも参加して行われた。そこで聞いたエピソードに驚愕したのでここにシェアしたいと思う。

(※本題に入るまで長すぎることをお詫びする)


先日、4歳の先生(※著者)のお孫さんが部屋に大がかりなプラレールを完成させたそうだ。驚いて「凄いね!」と声を掛けたところ、彼は「子どもにとっては全然凄くないよ!」と言われたという。すなわち、大人の言葉に拒否反応を示したのだ。こんなことで褒められることではない、と嫌がったという。

大人が【驚き】の意味で使った「凄いね!」を、子どもは【褒められた】と誤解した。下に見られたと感じた。

先生は、大人同士ではそんなにしょっちゅう褒め合うことはないと指摘した。確かに・・・!

対して、親は子どもをよく褒める。それはどうしても上下関係で見てしまうからだという。もちろん、褒められて純粋に喜ぶ子どももいるが、嫌がられた場合には「どんな声掛けが良いか」本人に聞いてみればいいと言っていた。心底納得した。

また、他者からの「どうしても見返りを求めてしまうが、純粋に愛するにはどうしたらいいか?」という問いでは、信用と信頼の違いについて以下のように答えていた。

・信用=条件付き

であり、

・信頼=無条件

である。対人関係の中に信用を持ち込まないこと。


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最後の問いはともかく、僕は日々児童と関わっている。褒めて伸ばすを信条としてきたが、それだけでは不十分なケースがあることも知った。

今後につながるヒントも得たので、引き続き学んでいきたい。

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