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“SOS”は辛くなる前に

「障害を忘れられる瞬間」同様、自称【皆さんの心に刺さるワードランキング】ではトップに君臨するこの言葉。

 書籍とはまた違う角度でその真意を解説しておりますので、よろしければご覧下さい。

「1人でも生きていける!」 私はそうは思わない

 皆さんは今、何人の方と(関わりながら)人生を歩んでいますか?また、あなたの人生におけるキーパーソンは誰ですか?
 私はこれまで、本当に多くの方と出会ってきましたが、ごく希に「私は1人でも生きて行けるから」というふうな話をされている方を見かけることがあります。そんな方を見る度、私は「もったいない!」と思うと同時に「もし1人でも生きて行ける方法があるなら教えてほしい」と、願わざるを得ません。
 このようなシチュエーションは、とりわけ思春期の子どもに多いのではないのでしょうか。もしご自分の子どもが(あるいはあなたの周りにいる子どもたちが)同様のことを言ってきた時、皆さんはどのように対応されるでしょうか。
 ちなみに、(私が小学生だった頃の話ですが)社会科で流通のしくみ等を学ぶ授業で、学校の先生が次のように話していたことを覚えています。

(1人で生きていけるという発言に疑問を投げかけた上で)
「普段みんなが食べているお肉も、生産者の方がいて、加工する方がいて、お店に輸送する方がいて、やっとスーパーで買うことができるよね」

 大人はよく食べ物に例えて話をしますが、こんな話をすると多くの子どもたちは納得してくれます。
 今の私の生活も、この仕組みと似ています。(両親はもちろんですが)昔から見守ってくれている人たちがいて、学生時代の友人がいて、仕事を通して繋がった仲間がいて、自分が心から大切にしているかけがえのないコミュニティーがあって、日々の生活を支えてくれるヘルパーさんたちがいて・・・。
 もしかすると皆さんは「毎日同じ1日はない」なんて言われても、実感がないとおっしゃる方もいるかもしれませんが、これまでにヘルパーだけでも約140名と関わってきた私の本を手に取って下さった皆さんはきっと、今頃画面の向こうで深く頷いてくれていることと思います(笑)

誰かに頼ることで生まれる”メリット”

 さて、はたして人に頼ることは恥ずかしいことでしょうか。私がそう問われたならば迷わずに「素晴らしいことです」と答えます。
 なぜなら、誰かと協同することで新しい可能性が広がるからです。確かに自分自身の努力はもちろん重要です。しかし、誰かと一緒になって取り組むことで1人では気付かなかった自分にも出会うことができます。頭に浮かんだ発想や感じた気付きは倍になり、思いの質はさらに強くなるのです。こうして、自分1人では決してできなかったと思える経験を、私はたくさん味わうことができました。
 これはうつ病になって分かったことですが、本当に辛い時は人に会うどころか、誰かに助けを求める気持ちも沸いてきませんでした。「情けない。こんなはずじゃなかった」というマイナスな感情だけが、心を支配してしまうのです。だからこそ、私は「辛くなりそうだな」と感じたら早めにSOSを出すことをオススメします。本当に辛くなってからでは遅いのです。
 
 困った時には「自分の可能性を広げよう」くらいの軽い気持ちで、誰かを頼ってみて下さい。そうすればきっと、新しい世界があなたを待っていますよ!

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