日記

夜、車に乗り込んだらカサッと物音がして、ああ多分外で虫が動いたんだと思ったらフロントガラスの内側にバッタがいた。500円玉くらいのバッタだった。でかい。これをどうにか逃がそうと窓を開け、直接触れたくないから傘を伸ばしてみたが、傘を伸ばしてどうしようというんだろう。運良く先に乗っかったらいいなぁ、みたいな淡い期待は当たり前に外れてバッタはバッタらしい飛び方で車の中の闇に消えた。ああなんかこれは嫌な予感がする、こういうときのこういう虫たちはゾンビとか悪霊とか類いと同じ動きをする。振り返るとそこには……と思うとやはり肩甲骨の辺りに乗っかっている。ほとんど分かっていたのにやはり驚き、ドアを開け、どうにか外界に帰した(と思うが闇から闇に消えたバッタの行く末は知らない)。

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