日記・鋼の錬金術師「砂礫の大地(前後編)」感想

 2003年10月から1年間放送されていた鋼の錬金術師のアニメを見直している。当時は原作が途中だったこともあり、アニメオリジナルの要素が強い。ちょうど子どもだった頃、リアルタイムで見ていた。
 その中でも「砂礫の大地(前後編)」がとても印象に残っていて、主人公のエルリック兄弟の名を名乗る偽者がキーパーソンの話だ。調べてみると原作に小説があるらしい。子どもの頃、テレビで見た時にもう一度見たいと思い続けて再度見るのに17年かかってしまった。偽のエルリック兄弟の名を名乗っていた兄弟はラッセルとフレッチャーという名だったことは全く忘れていた。
 話の内容としては、かつて金の採掘で栄えた町で賢者の石の研究が行われているとの話をかぎつけたエルリック兄弟がその町を訪れると、エルリック兄弟を偽称する者たちのために本物のエルリック兄弟が偽者扱いされるところから始まる。偽者であるラッセルとフレッチャーはその町の研究所で賢者の石に類似する赤い石を製造していた。エルリック兄弟はその赤い石と偽者の正体をあばくために研究所へ忍び込む。
 話はおぼろげに覚えていたが17年も経つと細かいところはまるで覚えていなかった。偽者の兄弟のキャラクターデザインがとても魅力的で、初めて見た当時はラッセルの方が本物のエドワードエルリックより主人公っぽく見えたりした。弟のフレッチャーも気の弱そうな感じがいかにも弟らしいキャラクター設定で、着ている黄緑色のワンショルダーのオーバーオールは17年覚えていた。本物のアルフォンスはキャラクターの設定として当時ものすごく衝撃的に感じた。鎧に弟の魂を定着させたという設定は様々な場面で生かされて、肉体を持たない万能感と肉体を持たないが故の苦しみが表裏になって感情を何度も動かされた記憶がある。
 物語の最後に青い森が描かれていた記憶があって、なぜ森が青いのか全く思い出せず、今日そのシーンを見てようやく分かった。正直17年経っていると分かった時かなり愕然としたが、知らないうちにそんなに生きているんだなと思った。誕生日を迎えるよりも歳を自覚する瞬間だった。

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