建築学生が考える廃校舎リノベーション「アフターコロナ期、教育の問題と地方衰退問題とを同時解決する学校」
小学生の頃、近所のおじいさんに草笛の吹き方を教えてもらったことがある。
小学生の頃、アメリカンフットボールの選手に夢の追い続け方を教えてもらったことがある。
本当の教育ってなんだろう。
今、カリキュラムで組まれた学習教育はオンラインを通じてどこにいても手に入る。でも僕たちが学校で学んできた大切なことって、それだけじゃない。
近所のおばさんに昔遊びを教えてもらったり、友達同士で色んなカブトムシの育て方を教えあったり。
コロナによる学習のリモート化が、こういった教育の本質を問う動きをより一層顕著なものとした。
そんな中、「少子化×地方衰退」での取り組みとして小規模特認校制度というものが注目されている。
〈小規模特認校制度〉
少人数の特徴を活かした特色ある小規模校として、各小学校区域外からの入学と転学を認める制度
近隣住人が放課後に宿題を教えたり、趣味を教えたり。地域ぐるみで教育を考える取り組みだ。
提案〈廃校舎を新しい教育の場に〉
この制度を参考に、
リモート化による地方移住や帰省の動きを踏まえて、「創造的復興」というテーマを掲げる。アフターコロナの色眼鏡で、無価値とされたものに価値を見出すのだ。
無価値とされてきた廃校舎を、
地域の人が、子供たちが、寄り添える場にしよう。
地域の人みんなで教育を考えていく、そんな廃校舎は「学校という機能を終えた新しい学校」だ。
教育の本質を問う動き × 地方衰退の解決
統合廃校された自分の母校「千葉県八千代台東第二小学校」を舞台に具体的に考えてみた。この提案は、多くの廃校舎に適応できる。
ここを、地域の色んな人が趣味を教えたり、色んな体験を共有する「教育」が行われる場にしたい。
空間イメージ
元正門側立面と、断面↓
公園側エントランスと、断面↓
学校がもつ広い敷地を開放する意味での門空間↓
広い教室空間に囲まれ、縁側のような場↓
正面性を持った短手立面↓
分断された地域は続く軒下空間。森の既存遊具までの動線にもなる。↓
平面図
1階
2階
3階
4階
設計コンセプト
❶多くの廃校舎が共通して抱える課題とアフターコロナでの人々の動向から、廃後期が建築として克服すべき点を下の5つにまとめ、それを克服していく。
〈補足〉
③追加補足→校庭側は山道のようにスロープで緩やかにくずし、公園側は正面性を持たせて道として引き込む
④たまり場(オレンジ)や内部空間(青)を動線に付随させる
⑤アフターコロナで有効なプログラムを入れる。(ジム、直売所、農園、食堂、イベント広場、シアター用教室等)
❷衰退した地域には4階分全ての床面積を使い切る力は残っていない。でも、廃校舎の教室が持つ独特の雰囲気を大切にしたい。そこで、2〜4階部分の教室の床や壁をくり抜き、大きな教室空間でできた殻を作る。1階部分に元教室空間でできた大きな屋根があるイメージだ。
詳しくは以下の動画にて。
結び
以上を動画にまとめた↓
リモート化による地方移住・帰省の動きの中、
廃校舎を目印に、地元に帰ろう。
そこで、子供たちの未来をみんなで考えていこう。
モニター越しでは学べない教育をみんなで作ろう。
そういうきっかけとなる場になってほしい。
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