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竜馬のおすすめ映画「メッセージ」

映画コンサルタント竜馬の評価 5点満点

現在Netflixで絶賛配信中の映画「メッセージ」
合計5回ぐらい観るほどスーパーおすすめ。

短編小説「あなたの人生の物語」を基にエリック・ハイセラーが脚本を執筆しアカデミー賞でも話題になった本作のキーとなるポイントは「言語」です。

本作は地球にやってきた宇宙人とコンタクトを図るためにアメリカ軍大佐ウェバーから声をかけられた言語学者ルイーズを演じるエイミー・アダムス、物理学者イアンを演じるジェレミー・レナーを主人公に物語は始まります。

そんなSF映画今まで見たことあるよ。「コンタクト」とか、なんかそんな感じっしょ?って思ったあなた。

             ぜっんぜん違います。

本作を楽しんでもらうためにも是非皆さんに知って欲しいのが、エドワード・サピアが唱えた「サピア=ウォーフの仮説」。

一言で言うと「人は人格って言語によって形成される」ということです。
海外で長期間滞在した経験がある方や、両親のどちらかが外国人で2つ以上の言語を話せる方は絶対どこか身に覚えがあるのではないでしょうか。

本編で主人公ルイーズは宇宙人とコンタクトを図るために彼等の言語解読に取り組みますが苦戦を強いられます。
宇宙人の言語は地球人が使う表音言語とは違い、表意言語でコミュニケーションをとっていたのです。(ちなみに日本人は両方使う)

                                              (これが宇宙人の言語)

次第に宇宙人の言語理解するにつれルイーズの身に異変が起こり始めます。
未婚のはずのルイーズがハンナという自分の子供と過ごすシーンを見始めるのです。

ここで少し「言語」について考えてみましょう。

私たち人間は言葉を利用してコミュニケーションをとったり、経験したこと知り得たことを記憶してます。
過去に起きた出来事、未来の出来事までの表す言葉さえも存在します。

しかし、先ほどの「サピア=ウォーフの仮説」的な考え方をすると、「過去」や「未来」という言葉(概念)が存在しなければ「時間は過去から現在、未来へ流れている」なんてことも考えることすらないし、「今」そのものに「未来」も同時に存在している可能性だって考えられますよね??


そう、宇宙人の言語には時制を表す「未来」や「過去」といった概念が存在しないのです。


きっと世界最高の言語学者と評されるノームチョムスキーさん的に考えると論外中の論外かもしれませんが、好奇心を掻き立てられる素晴らしい作品です。

ルイーズとイアンは無事宇宙人とコンタクトを図り地球を救うことはできるのだろうか。そして事件をきっかけにルイーズに起きた異変とは一体・・。

                           竜馬の歴代SF映画ベスト10にランクイン