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トヨタの製造エンジニアを辞めて12年後に新型プリウスのワールドプレミア動画を撮った話

新型プリウスが発売されてはや3ヶ月。
ようやくこのことをお知らせすることができます。

トヨタが昨年11月に満を持して発表した、ハイブリッドカーの先駆者である”プリウス”のフルモデルチェンジ。その新型プリウスを全世界にお披露目するワールドプレミアで、我々リーボが撮影した走行映像をご使用頂いたのです。

走行シーン(10:31-10:57)

ワールドプレミア当日、撮影に携わったクルーみんなでこのライブ中継を見てたけど、デザイン統括部長のサイモンさんの話が進んでいき、実際に走行シーンが画面にバーンと流れたときには、みんなで「うおおおおお」って声出てました。

なんつーか、自分たちの撮った動画がこの大舞台で世界中の人に見てもらえた喜び。興奮。たまんなかったっす。

今回この実績の公開許可を頂いたトヨタの関係各部署、関連会社の皆様、ご調整頂いたNeeds24の皆様、本当にありがとうございました。

また、タイトな条件のなか、この撮影を成功させたリーボのクルーたちにも、深い感謝とリスペクトを捧げます。

実は、この案件には僕個人として特別な思いを込めていました。

製造エンジニアとして勤めた前職

公表してるのでご存じの方もいるかも知れませんが、僕は2011年に今のリーボという会社を作る前、トヨタの九州工場、正確に言うとトヨタの子会社であるトヨタ自動車九州という会社で製造エンジニアとして勤めていました。

ちなみに製造エンジニアにはいろんな仕事があって、ひとことでこんな仕事って言いづらいのですが、前職では「安全・品質・生産・原価」という4つの軸があり、僕はその中でも”生産”に関する仕事を主に担当しており、
工場で作業者がやっている工程をロボットで自動化したり、逆に生産設備で発生した不具合を解析し再発防止策をたてたりとか、そんな仕事をしてました。

今のクリエイティブ制作とはかけ離れてますよね。

でも、このときから、というか物心ついたときからずーっと一環しているのは、僕は「クルマが好き」ということ。

根底にある"好き"というエネルギー

道路走ってるクルマ見るのも好き。
パンフレット見て性能調べたりすんのも好き。
映画やドラマに出てくるいろんなクルマのシーン見るのも好き。
雑誌でクルマの写真見るのも、いろんなクルマの名前覚えるのも、
小さい頃からずーっと好き。

なんでって言われてもよくわかんないけど、クルマってほんといいよね。

"クルマが好き"だから、そうしたクルマ関連のインプットが蓄積されていって、いまや膨大な知識となり、工場でクルマづくりに携わった経験も相まって、クリエイティブを制作する際に、このクルマはどんなふうに撮ればいいか、どういうことを伝えればいいか、最終的に画に出てくるんだと思います。

全然関係ないけどクルマ大好きで、ロックンロール大好きな僕にとって
ここ数年で見た中でめちゃくちゃやられた映画のひとつが「Baby Driver」。是非同じような趣味嗜好持っている方は見てほしいっす。

"好き"が引き寄せた大きな仕事

ここまで話すと、このトヨタさんからのプリウスのお仕事は、僕の前職のつながりを使って受託した仕事、と思われるかもしれませんが、全然違うラインからお話を頂いたのです。

詳しくは省略しますが、遡ること数年前、トヨタさんの動画案件について、担当者さんが発注先を探して全国200社近くの動画制作会社を調査・制作実績を閲覧し、その中から弊社が地元のディーラー、ネッツ福岡さんに納品したヴェルファイアのPR動画をご評価頂き、弊社にお声掛け頂いたことがきっかけでした。

その動画がこちら。

この動画を作ったのはもう5年前。まだ制作会社としても2~3人しかいない小さな頃だし、今動画を見るといろいろ粗があるなぁと気恥ずかしくもありますが、その当時の我々の技術で最大限、このクルマがオーナーにもたらす価値を表現できたと思います。ちなみに出演者は僕がよくいくバーのマスターとその常連さんたち。

僕の前職がトヨタだから、という理由ではなく、純粋にこうしてクリエイティブをご評価頂いたことは、僕たちにとってはとても嬉しい出来事でした。

CONNECTING THE DOTS

トヨタを辞めて電気自動車カーシェア事業で起業したのが2011年。
会社潰れかけてクリエイティブ制作事業に事業転換したのが2016年。
地元の自動車ディーラーの動画をつくったのが2018年。

振り返ると、それぞれのタイミングで得たいろんな経験がうまくつながって今回の件にたどり着いてる気がする。

そのときそのときには、ただ必死でやっただけ。
まさにConnecting the dotsってやつか。

you can’t connect the dots looking forward; you can only connect them looking backwards. So you have to trust that the dots will somehow connect in your future.
将来を見据えて点と点を繋ぐことはできません。 後になって振り返ってみないことには、繋ぎようがないのです。だから将来、どうにかして点と点が繋がると信じなければなりません。

出典:スティーブ・ジョブズ スタンフォード大学卒業式スピーチより 

最後に ー感謝を込めてー

僕がこの制作実績の公開許可にこだわったのは、もちろん「こんなクリエイティブの会社が福岡にあるよー」ってことをお伝えしたかったというのもありますが、何より前職でお世話になった上司や同僚のみんなに恩返しを込めて、この制作実績を報告したいと思ったから。

12年前、28歳のとき。
当時エンジニアとしてもまだまだ半人前で、色んな人の力を借りながら仕事を進めている身であり、かつ受け持っているプロジェクトも途中であったのに、自分のタイミングで「会社創るので1ヶ月後に辞めます」などと身勝手な退職願いを聞き入れてくださり「後処理はこっちでやっとくから、いってこい」っつって送り出してくれた直属の上司Fさん。

会社やめるときも送別会開いてくれて、辞めた後も連絡をくれて飲み会や結婚式に呼んでくれて、こないだもウチの動画をYoutubeで見てくれたことが
きっかけで飲み会開いてくれた、同期のみんな。

他にも報告したい前職のみなさんがたくさんおりますが、製造エンジニアであった僕が会社辞め、12年後のいま、辞めた当時は(僕を含めて)誰も予想さえしなかった”クリエイティブ”の力で、前職の主力製品のお披露目に微力ながらお力添えさせて頂くことができたこと、本当に嬉しく、また、感慨深いです。

今度また、直接皆さんにご報告いきますね。