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月白にて 第九夜 「庭にて」(2020.11.29.)

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註記

録音は途中からになっている、その前に、見知った方々の来てくださった中で唯一初見だったある参加者の方に、きょうはどうして来られたのですかと訊くと、彼も庭師を目ざしており、現在は大学院に通っているというので、そういう学科なのかと思いきや、「幼児教育を学んでいます」と。そこで僕は、話す予定になかった庭と幼児教育の関係、つまりフリードリヒ・フレーベルの話をした。

フレーベルは19世紀ドイツの教育学者で、幼稚園の創始者である。(ちなみに積み木の発明者でもある。) この幼稚園という言葉は庭と繋がっている。録音の始まる前に引用した『フレーベル全集第四巻 幼稚園教育学』第十七章「幼稚園における子どもたちの庭」には次のように書かれている。

"幼稚園(Kindergarten)という言葉は、もしわれわれがその言葉を支えている語に注意をはらうならば、自らその方法(Wie)と手段(Wodurch)をわれわれに語ってくれる。すなわち、それは「子どもたちの庭において」(im Garten der Kinder)である。したがって幼稚園、幼稚園の完全な理念、もしくは明瞭に表現された幼稚園の思想は、必然的に一つの庭を要求し、さらにこの庭のなかに、子どもたちのためのもろもろの庭を要求する。"

ここであらためて、微花が雑誌から絵本へと生まれ変わるなかでなくてはならなかった、幼い子と共に生きる人の生活文化雑誌「母の友」が思い出されるが、このことはまたあらためて、機会を設けて話したいと思う。

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参考文献

フレーベル、F.W.A.著、小原國芳・荘司雅子監
『フレーベル全集第四巻 幼稚園教育学』
玉川大学出版部(1981)

川﨑智子・鶴崎いづみ著
『整体対話読本 ある』
土曜社(2019)

伊藤絵美著
『セルフケアの道具箱』
晶文社(2020)

坂口恭平著
『自分の薬をつくる』
晶文社(2020)

奥村淳志著
『庭とエスキース』
みすず書房(2019)

東千茅著
『人類堆肥化計画』
創元社(2020)

内山節著
『自然と人間の哲学 ・内山節著作集6』
農山漁村文化協会(2014)

石躍凌摩・西田有輝
『微花1./春 』第二版
自費出版(2019)

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