『あの日』 10話 降田一(ふるたはじめ)
いつもの見慣れた部屋のはずなのに今日すこし歪んで見えた。全く取り合ってもらえなかったらどうしようと考えていたからだ。私の心臓は100メートルの全力疾走の後より早くなっていた。
その緊張と今日は絶対に言うと心に決めていたこともあってか私は降田さんの部屋に入るとすぐに全てを2人に打ち上げた。
全てといっても真っ白な世界で言われたことだけで、あの女が私の母親ではないと言うことは秘密にしていた。言っても意味がないかと思ったからだ。しかしあの女を疑っているということはちゃんと