100日後に年越すオレ 72日目「な:なんくるないさ」
”いろは順”エッセイの二十一日目、本日は”な”です。
"な”で選んだ題材は、「なんくるないさ」。沖縄方言の中では有名なものの一つですね~。
「なんくるないさ」の意味は、直訳すれば「なんとかなるさ」。沖縄人の楽観的な思想を表す言葉として取り上げられることも多いですね。それはポジティブな意味でもネガティブな意味でも・・・。
そもそもの「なんくるないさ」の意味というのは、このページでも解説があるように元の言葉は「まくとぅそーけーなんくるないさ」というもの。直訳すると「正しい事、真(誠)の事をすれば何とかなるさ」となり、意訳すれば「しっかりと正しいことを続けていればそれはいつか必ず実を結び、結果につながる」となり、更に曲解すれば「人事を尽くして天命を待つ」的な意味合いになるわけですね~。うん、正しいポジティブシンキング!
とはいえ、前述の通り今の「なんくるないさ」は「(何も考えず)何とかなるでしょ」的な、ある意味真逆の意味として捉えられていることが多いように思います。それは決して”ないちゃ~(内地の人=沖縄以外の人)”だけじゃなく、恐らくうちなーんちゅの一定数もそうなんじゃないかなあと。
僕はというと、以上の本来の意味なども踏まえた上で、自分的に一番しっくりくるのが「なんくるないさ=(自分で)なんとかするさ」というもの。周りには「なんくるないさ。まかちょーけー!(任せておけ)」的な感じで話しつつ、実は裏では何とかするために必死に動く、といった塩梅。転じて自分の部署においては自分自身が最終責任者なわけなので、部下たちがトラブルになった時に「なんくるないさ~」と言っているのは、「最後はオレが責任持って何とかするから大丈夫」という宣言だったりもするわけです。まあその意図はちゃんと伝えられてないので「また楽観的な💦」なんて思われたりしてしまっているのは大いに反省なのですが・・・。
偉大なる経営者であり、僕も大いに尊敬している稲盛和夫さんの経営哲学に、「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」というものがありますが、本当にこれは重要だなあと感じていますが、「なんくるないさ」はその姿勢も表しているんじゃないかなあと。
以下、引用です。
新しいことを成し遂げるには、まず「こうありたい」という夢と希望をもって、超楽観的に目標を設定することが何よりも大切です。
天は私たちに無限の可能性を与えているということを信じ、「必ずできる」と自らに言い聞かせ、自らを奮い立たせるのです。しかし、計画の段階では、「何としてもやり遂げなければならない」という強い意志をもって悲観的に構想を見つめなおし、起こりうるすべての問題を想定して対応策を慎重に考え尽くさなければなりません。
そうして実行段階においては、「必ずできる」という自信をもって、楽観的に明るく堂々と実行していくのです。
どうでしょうか? 「なんくるないさ」とのリンクを感じていただけましたか?? 結論としては「”なんくるないさ”は稲盛和夫のフィロソフィーにも通じる言葉だった!」ということに・・・なりませんかね?(笑)
少なくとも僕は、「なんくるないさってどういう意味なんですかね?」と聞かれた時には、そう答えたいと思っているのです。皆さんも良ければ是非!
※補足ですが、上部の琉球新報のコラムにもあるように「なんくるないさ」自体の言葉も、沖縄の過去の色々な出来事の上に成り立っている奥深い言葉だということです。そういうエッセンスというのは普遍的であり、多くの名経営者達の考えともリンクするのだろうなあ、という感じですね。