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「夜と霧」を読んだら、どんなに辛くても希望はあるかも…と思った話

最近、久々に本屋をウロウロしたら「夜と霧」が置いてあった。読んだのは少し前の話だが、この本を読んで生きていく希望が少し出てきたことを思い出したので、書いてみようかと思う。

※ネタバレ内容になりそうなのでご了承ください…

この本を読んだのは、確か4〜5年前くらいだったと思う。たまたま誰かの書評を見つけて、「へぇーあのアウシュヴィッツから生還した人の書記か。興味あるなぁ」と思って読んだ。

著者はアウシュヴィッツ収容所に入ったけど、奇跡的に生還した人(精神科医?だったかな)である。釈迦に説法かと思うが、アウシュヴィッツは結構残酷にユダヤ人が殺されていく施設だった。自分がユダヤ人で、そういう前評判の場所に連れて行かれたら絶望するだろうし、底知れぬ恐怖と戦って精神的におかしくなると思う…。

アウシュヴィッツ収容所はそんじょそこらのプチブラック企業よりもはるかに過酷な場所だったはずなのに、著者は本の中で希望を語っていたことが印象に残った。(いま本の内容がすっぽり頭から抜けているけど、この一点だけはパッと思い出せるくらいに印象に残った)

自分がいつ死ぬかも分からず、情報が手に入らない中でどんどん周りの人が死んでいき(殺す施設を実際に見れたわけではないが、片道切符で戻らない人を見たら何を思うか)、愛する人と離されて、このまま肉体労働して死んでいくんだろうな…と果てしない絶望を抱えていたにもかかわらず。

正直、「辛い状況だから希望なんて持てない。でも生きて行かなきゃいけない。辛い」といった救いのないドンヨリした本かなぁと思って読んだので、衝撃を受けた。

自分の話になるが、働き出してから色々あってお金にすごく困った時期があった。おまけに働いていても楽しくないし、友達少ないし家族ともいろいろ揉めてたし、職場でも上司からきつく言われて辛いし、人生も楽しくない…無理…という状態だった。そんな中である種、「人生に希望はないよね」という考えの補強として本を読んだつもりが、カウンターパンチをくらって沁みた。

プラス思考の人間や、なんだかんだ言って成功ルートをたどっている人、人生を充実させることに成功している人間から「がんばろうよ!」等々の言葉をかけられても「言葉は嬉しいけど、あなたたちは恵まれてるから…」と卑屈に構えていた。

だが、こんな極限状態だった人が希望を持ち出しているならば…今の自分の状況に希望を持たざるを得ないでしょうよ、となった。自分の人生を幸せにしたり希望を持つのは、どんなに極限状態で辛くてもできるんだなと思わせられた。どこぞの天気を変えてしまうアツいスポーツキャスターのような根性論ではなく、深い説得力があった。懐かしい。

もっといい書評がたくさんあるので、そちらを読んでもらうほうが良いかも(丸投げ)

また読み返そうかな。

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