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『本業2024』感想 007│山城新伍『おこりんぼ さびしんぼ』

山城新伍『おこりんぼ さびしんぼ』
(幻冬舎)


山城新伍さんと言えば、役者はもちろん、
バラエティー番組の司会者・出演者の印象が強い。
川谷拓三さんと共演した「どん兵衛」のCMも
子供の頃によく観ていた記憶がある。

『おこりんぼ さびしんぼ』は、サブタイトルに
「若山富三郎・勝新太郎 無頼控」とあるように
山城氏を通して語られる、若山富三郎・勝新太郎
二人の俳優兄弟の評伝なのだ。

『本業2024』の中で引用される
『おこりんぼ さびしんぼ』の一文に惹かれる。

影響とは、影が形に従い、響きが音に応じること

『本業2024』51頁

形があっての影、音があっての響き
…と言う事もできる。

若山・勝兄弟の、警察も反社会的組織も恐れず、
時には罪まで犯してしまう破天荒な生き様は、
「頭の中のスイッチが芝居になってしまう」
と山城氏は分析する。

二人の父・杵屋勝東治、兄・若山富三郎、
弟・勝新太郎の芸能一家を『本業2024』では
【山脈】に例える。

一般の家庭では考えられない様々な葛藤が
あったのかもしれない。
その中で培われた “絆” も併せて、山城氏は
見届けてきたのだ。

勝新太郎さんが言っていたという “韻” も深い。

芸事で大事なのは、間なんだよ、
間は魔物の魔に通じる

『本業2024』53頁

これだけ芝居に没頭すると、必然的に世間知らずに
なってしまうが、そのエピソードも破天荒。
そしてこの兄弟を見守ってきた山城氏も、
様々なエピソードを持っていると言う。
その殆どが “チョメチョメ” らしい…。

〈24年近況〉では、つい最近話題になった、
『不適切にもほどがある』の中のセリフ
「チョメチョメ」や、お笑いコンビ「XXCLUB
(チョメチョメクラブ)」にも触れられている。

※誤記※

その “項” を目指した

その "頂(いただき)“を目指した

『本業2024』52頁


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