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めし〈2021/09/17〉

 家で料理をするひとの呼称は、主婦でも主夫でもなく「台所人だいどころにん」でいいんでないのかな。元は江戸幕府の役職名として使われていた言葉ではあるけれど。『包丁人味平』(原作:牛次郎/漫画:ビッグ錠)みたいで格好も良い。たしか「カッコいい」の初出は石原慎太郎の文章なんだっけか(うろ覚え)。「包丁人」というのは、小池一夫による「冥府魔道」「公儀介錯人」や池波正太郎による「急ぎ働き」のような造語だと思いこんでいたけれど、どうも元からある言葉なのだな。いまweb検索で知った。

 洗濯や掃除なども含めたhouseworkをするhomemakerの総称は「家事人かじびと」で。これも『傷追い人』(原作:小池一夫/作画:池上遼一)みたいでいい感じだ。noteにルビ機能がついたので先ほどから使ってみているが、板垣恵介のマンガ『謝男シャーマン』のルビは美しいな。

 台所人だいどころにん家事人かじびとで「人」の読みが、音読みのニンと訓読みのビトとで異なっているけれど、それぞれ語呂がいいから、まあいいじゃないか。

 キッチン用品のキャッチフレーズでひと昔前なら「主婦の味方」とあったところを今は主婦・主夫と並記されていたりするが、台所人だいどころにん家事人かじびとで万事解決じゃないかと、有賀薫氏によるこの記事を読んで思った。

〈2021/09/17/昼めし〉
 様々な人物の食に関する談話集『味覚極楽』(子母澤寛)に〝これなんぞは下手好みで、食通の方々のお口には合わないかも知れません〟と、書き手自身の食として登場する「豚肉を茹でた湯にうどんを入れて昆布出汁4と醤油1みりん1を煮詰めた下地で食べる」やりかた。当世風に、つけ麺スタイルで。

 昆布出汁と醤油はめんつゆに置き換えるのでみりんは必要ない(多くのめんつゆにはみりんがあらかじめ含まれているので)。めんつゆを煮詰める際に、あぶらかすを入れといて、食べる直前に豚肉とうどんの茹で汁で割る。

 先の本『味覚極楽』は元の新聞連載が1920年代で、再連載と書き下ろし(先のうどんは書き下ろし部分)を加筆した単行本は1957年刊行。古書店などで昭和30〜40年代までの家庭料理本をめくると、使われるみりんの量の多さに驚くことがある。

以前に冷凍スパゲティで試してみたことがあったが、これはいまいちだったな。ベーコンはつけ汁のほうに入れるべきだった。

〈2021/09/16/晩めし〉
 豚骨醤油ラーメンの袋麺。麺を茹でて、茹で終わる30秒前に茶碗半分ほど(1/5本分くらい)の大根おろしを鍋に入れて火を強くする。茹で上がり時間がきてスープを混ぜて丼に盛ったら上からブラックペッパーをミルで直接ガリガリと挽く。気分は背脂チャッチャッだ。麺が食べ終わりかかるあたりで底に溜まった大根がポタージュのようになっている。飲み干してしまう。

丼を縦構図で撮ると雑誌の表紙のようになるなと、めしを食べたあとにスマフォで数分のあいだ画像を弄って遊んでいた。



〈2021/09/15/昼めし〉
 ハツと皮付きニンニクとを、ローレル、セージ、ナツメグ、カスリメティ、オレガノ、バジル、タイムなどなどを適当に加え塩を振り油で煮た。当初は軽く塩で焼こうと(フライパンで炙ろうと)考えていたがぼやぼやしているうちに賞味期限を微妙に過ぎていたこともあって、ハツにいくつか包丁をいれて中の血の塊をしごきだし、じっくり火を通して香りをつける方針へと変更したのだ。

 鶏ハツのアヒージョ、茹でブロッコリー茎と皮付きニンニク添えでございます。


〈2021/09/12/晩めし〉
 目の前に「好きな味噌汁の具」というお題があったとする。丼飯に卵黄を使った際たまにやるのは、白ネギをブツ切りにして「ほんだし」だけで煮て、適当な茹で野菜と卵の白身とひきわり納豆をいれる汁。納豆に付属しているタレは入れてしまう。だし以外の味付けはこの付属タレと一味唐辛子だけ。でも味噌がないので味噌汁ではないか。

 Twitterで「今年はこれがうまい」などという書き込みを見るとすぐに影響される。かつおをひゅうが飯にする。


〈2021/09/11/昼めし〉
 ベトナムの即席粥。この即席粥はペパーミントやパクチーがなかったらなくてもいいし、具は蒸し鶏などつくらなくてもポールウインナーや前日のチキンナゲットの残りでいいし、それどころか具がなくてもいい。

 今日は魚屋で手に入れた「ハモの子の玉子とじ」があるのでのせる──夏の疲れを引き摺って食欲のない晩夏の食事という雰囲気があってとてもいい、横に今年最後のスイカを置きたくなる。


〈2021/09/07/昼めし〉
 やはり「サッポロ一番 塩らーめん」にはスルメのキムチがあう。途中からスープにうまみが染み出してきて、今どきの言葉でいう「味変」があるし、うまみをスープに出したあとの白っぽくなったスルメの柔らかさも「がんばったなあ、えらいなあ」という感じがある。


〈2021/09/07/晩めし〉
 昨晩しこんでおいた豚肩ロースをアルミホイルにつつんでグリルで焼豚にする。

 真似などしてくれなくて結構だしましてや信じてくれずともまるで構いやしないわけだが味噌ラーメンにのっけるもやし炒めは塩胡椒ではなくハイミーでやってもうまい。

焼豚は白飯にのせて焼豚丼もつくった。



〈2021/09/05/晩めし〉
 昼間いい茹で豚足が買えたので、キッチンバサミでほぐして韓国の即席麺チャパゲティとあわせて食べた。


〈2021/09/04/昼めし〉
 冷凍蕎麦に大根おろしと豆腐と納豆をのせて食べた。トリニティ。


〈2021/09/03/晩めし〉
 「やきそば弁当」へ湯を注ぐ前に刻みネギを入れておき蓋の下で蒸す・すると中華スープもうまくなると言うのは私の住むまちではもはや常識だ。

 それをかいわれ大根でやる。半分は湯を注ぐ前に入れて、しなっとさせ、もう半分はソースをかき混ぜたあとにのせてマヨネーズをかける。これはもうサラダ、焼きそばサラダだろう。


〈2021/09/03/晩めし〉
 どんぶりに生卵、そこへ冷凍うどんを茹でたてで放りこんでかき混ぜ、軟骨唐揚げと刻みネギ。ひとくちごとに賢くなるのがわかる。脅迫めいた育児レシピ本の書名っぽく書くと「頭のいい大人が育つ食事」「オトナが天才になる料理」だ。嫌いなんだ、あの手の保護者への脅迫的な書名が。


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