ワテがナニワの

 もう何ヶ月ぶりやろか、というくらいに、子が寝室へいって布団に寝たあとに自分の時間がとれる。

 タコを食う。セブンイレブンで買った焼酎「セブンプレミアム焼酎 25% 220ml」(たんぱく質/糖質/脂質0、エネルギー147kcc)のつまみに。あれうまいのよ。いや、本当に。おれが酒の味を知ってるかって? いままで呑んだことのある中で世評がもっとも高く値段的にも高価な酒は、ロマネ・コンティやで。フランスはパリで、現地ですら円高時代にボトル60〜70万円くらいしたのをリーデルで二杯呑んだ。なんなら同席したひとが残したワイングラスのを片っ端から飲み干した。世界的な音楽家の奢りで。『のだめカンタービレ』(二ノ宮知子)みたいなエピソードやね、ふふっ、権威的やろ。じゃかましいねんボケ。

 タコを芥子酢味噌で食う。半額だったので200円くらい。大阪はどんな鮮魚店でも必ずタコが置いてある。産地・生・茹でに関わらず必ず置いてある。ビアホールにビールがなかったら変やん?そんな感じで当たり前のように置いてある。

 子はタコ焼きがあまり好きではない。厳密にいうとタコ焼きの中に入っているタコが好きではない。家でタコ焼きをつくるとき、中の具にソーセージやチーズを入れると食う。
 タコ焼きの中にタコが入っているのは、食感の変化を味わうためだけではなく、カリフワだったりフワグズだったりする周囲を包む小麦粉生地に出汁を染み込ませるためでもある。
 タコ焼き苦手のままでは、連載序盤に主人公の二回戦の相手として「ワテがナニワのドウェイン・ジョンソンことロック様や〜」と登場して、負けたあとに通天閣をバックに「ワイのまちに帰ってきたで」と呟いたあと普段仲良くして面倒みてる下町の子供らに「ホンマは◯◯のほうが強いんやろ?」「でも負けてしもうたがな……」と言われて、「次こそはボコボコにしたるさかい、ようみとけ! 約束や!」と言いつつ主人公の良きライバルにして親友になれないぜ。スポーツマンガだと関西弁キャラはわりと噛ませか終生のライバルになりがちやで工藤! きみがいま続刊を楽しみにしているマンガ『スパイダーマン:オクトパスガール』(古橋秀之/別天荒人/MARVEL)のオクトパスってのはタコのことやで。

 なお、大阪で、自分のことをワイとかワテと呼ぶひとには会ったことがない。

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