空爆、核攻撃、日本の巨大ロボット群像

　コロナ禍において一部のバカな大人たちがやっていた「犯人探し」の風潮が、悪い結果を呼んで波及しているように思える。
　いま小学校で他人に感染させやすい病気──アデノ、インフル、ヘルパンギーナ、手足口病、マイコプラズマ、などなどなど──の流行の情報共有がまったくできていない。クラスで5人発熱で休んでいたら注意喚起せなあかんと思うのよ……。子に訊かないと、いま何人休んでいるのかわからんというのは困る。
　だが、この点は学校によるかもしれない。いち早く（「宿題プリント」以外の）連絡事項100%ペーパーレスを実現させた公立小学校の話を聞く限りでは、いい意味で情報共有がしやすくなっている。

　おれ、学校から配られたプリントは全てiPhoneで撮ってアルバム化してるんよ……。提出物以外の紙は即座に捨てる。昨年一年間でファイリングしきれないほど連絡プリントが溜まったので、アホらしくなってそうした。

　コロナ禍で休校が学級閉鎖が断続的に続いたときは誰が休んでいて陽性だか陰性だかは絶対に学校側から漏らさぬよう細心の注意を払っていたという話も訊いて、それ自体はとてもわかる。あの頃、「◯◯（近所のスーパーの名前）の店員からコロナがでたって聞きましたよ」と、こちらが尋ねてもいないのに、なんだかそれがまるで嬉しそうに思えるほどの表情で伝えてきた近所のひとがいた。不安そうな声色はしているが、あれは「まだ知られていない〈真実〉を自分は知っている」ことに、はっきり興奮していたのである。私は「へぇ」と受け流しながら内心では《へっ、『デビルマン』読まないまま大人になったタイプかよ、救えねぇ》と感じた。

──それで、これを書いているいま現在、二〇二四年十月六日の私は、子からもらった感染症でブッ倒れているのであった。病名は明日予約した病院で判明することだろう。でもまあ、子の症状からしてマイコプラズマなんでないかな。子は発熱と咳、自分はとにかく身体が怠い。酒を飲んでいないのに酷い二日酔いみたいな状態である。朝から一日、子の横で寝転がっていた。

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〈2024年8月マガジン〉｜菊嵜了｜note

〈2024/8/6 火曜〉
　今日は広島が核攻撃を受けた日だ。
　沖縄は民間人が十万人殺され占領されて日本各地が空爆されていた。
　〈原爆投下〉ではなく、核攻撃と書く。〈空襲〉ではなく空爆と書く。原爆投下という言葉は何かを覆い隠しているように感じている。核攻撃だろう。空襲もそうだ。ガザ地区と同じく空爆だろう。

　京都へ。京都文化博物館『日本の巨大ロボット群像』。核攻撃を受けた日に、兵器としてのキャラクター化されたロボットを観に行く。