〈2024年1月12日 金曜〉この壁は殺風景やから
〈2024年1月12日〉
朝。いつものように集団登校の集合地点まで子を送る。とはいえいつもそのまま集合地点から一緒に学校の門まで歩いているのではあるが。入学して最初の二ヶ月ほどは新入生の保護者が数名いたが、そのうち集合場所にいる大人は私ひとりになった。一年生が集合地点へひとりで来るには、ここいらは見通しが悪い細い道があり信号もない一方通行があり、通学時間は通勤時間と重なることもあり時折、この細い道には過剰な速度で急いでいる車やら自転車やらがいる。なので、まだひとりで行かせたくはない。これはつまるところ「確率」の問題である。もし一時停止を雑に行う車がたまたま子が道路を渡るときに来たら。逆走で曲がり角の頂点をかすめショートカットし優先道路という概念を持たず左右確認もせず狭い道から急に飛び出てくる自転車がもしいたら。奇妙なことだがそういう走りをする自転車に跨っている者は両耳にイヤフォンをしている場合が多い。角の向こうから聞こえるはずの車のエンジン音や歩く児童たちの話し声が聞こえぬはずで、聴覚を遮断しているなら視覚に頼るウェイトが多くなるはずだというのに、どうにも視界を広くとれる走り方をしていないのである。むしろ死角が増える走行ラインなのである。運転免許を持っていないひとの中にはたまにいる走行ではあるが、もし運転免許保有者であれば、まったく見下げはてたド下手糞、運転技術が低い人物である。峠道をドリフト走行したりサーキットで速く走るのだけが運転技術ではないのだ。
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