歩かないでください〈2024年7月5日 金曜 - 7日 日曜〉〈2024年7月マガジン〉

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〈2024年7月5日 金曜〉
 冷蔵庫の野菜室の殺菌をする。何か果物や野菜がダメになってたときは、いちど野菜室の中身を取り出して、台所用アルコールスプレーで拭く。これをやるのとやらないのでは、随分と違うように感じる。特にカビなどは胞子的なモノが残っていると、またすぐに他のモノがカビる。

〈2024年7月7日 日曜〉
 ようやく掛け布団を干せた。通常の洗濯やシーツやタオルケットの洗濯の合間に天気が悪い日が続き、もう使わなくなってからひと月ほど経ったのに、干すタイミングがなく部屋の隅に積んだままだったのだ。干し終えて、ダニ虫よけ剤と乾燥剤を入れて圧縮袋に入れてしまいこむ。
 子は読書感想文に悩む。面白いところは微に入り細に入り語れるのだが、それを文章に落とし込めない(私ですら難しいわけで)。なので、私が子に「どんなところが面白かった?それはなぜ面白いと感じた?ビックリしたりカッコいいところはあった?」とインタビュー形式にして、メモをとってゆくスタイルでやってみる。話すと立板に水で言葉が溢れ出す。「いま書いたこのメモを元にして書いてみたらええと思うよ」と私は言うが、そこで子は「それだと簡単なのはわかってるんやけど、自分で書きたいんや」と抵抗する。

 それをやるには「こうするのがやりやすい、間違えることが少ない」と大人からするとわかっていることでも、試行錯誤をして失敗や成功やそういった経験を自分自身で獲得してゆかなければ、納得ができない気持ちは痛いほどわかる。「見てられんから代わりにやったるわ」と横から手を出すのはイージーだが、あえて失敗させるのは難易度がハードだ。道端の転びそうな石ころや、怪我をしやすい枝などを、事前に排除し過ぎてきたかもなと過去を振り返ることがある。まちや道を歩いていて、あえて信号が赤なのを指摘しないなど「失敗させる」のは、リスクや不可抗力が大きすぎる。制御不可能な外的要因が多すぎる。低リスクで予想外の出来事が起こりにくいが、自身の見当違いや注意不足といぅたミスが形となって眼前に現出する経験を積ませるには、たとえばペーパークラフトやプラモデルなどは、「失敗」させやすいジャンルだと思う。


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