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グラビアアイドル推し活日記⑤

本筋からは外れてしまうが、最近読んだ著書からグラビアアイドルとは何かについて考えてみたい。2回に分けて書いていく。

今回読んだ本

(1)織田祐二「グラビアアイドル「幻想」論 その栄光と衰退の歴史」2011年、双葉新書
(2)倉持由香「グラビアアイドルの仕事論」2018年?

上記著書1を読んでの感想を書いていこうと思う。

織田書
①あらすじ
著者のインタビュアーとしての知見も織り交ぜながら、今日のグラビアアイドルの立ち位置、存在意義について述べられている。2000年代以降、アスリート界を始めとする異業種からのグラビア参入、AKBなど歌って踊れるアイドル達がコミック系雑誌の表紙、中綴じを独占し、グラビアアイドルの存在意義が問われ衰退の危機に瀕していると説く。
グラビア文化を衰退させないために、グラビアアイドルへの喝を入れ、未来について語られている。

②感想
グラビアアイドルの歴史を振り返ると、幾度の冬の時代を経験し、試行錯誤を繰り返しながら発展してきたことが本書を通じて理解できる。そして、グラビアアイドルたちの相次ぐスキャンダルや過激な発言により、グラビア活動への世間の視線もさらに厳しくなる。グラビアアイドルの立ち位置が曖昧になっていたことも冬の時代へと突入する要因でもあった。
2023年現在もコミック系雑誌の表紙を飾るのは、AKBや坂道グループのアイドル達であることは変わっていない。
その後SNSが普及と相俟ってグラビアへの裾野が拡がり、今やグラビアを中心に活動している人も多い。グラビアに敬意を表し、グラビアを心底楽しんでいるタレントが多いと感じる。
織田氏はグラビアをアイドルの延長上として、歌手や女優などの本業へのステップアップ、あるいは知名度向上のために短期間で活動を終え、次世代にバトンタッチすべきで、水着を着ているだけの存在になってはいけないと主張する。
本書が刊行されたのは2011年のことである。当時はグラビアアイドルを「アイドル」として捉えるなことが半ば常識であったから、短期間での入れ替えが理想だと思う。
しかし、グラビアはただ水着を着るだけの存在ではなくなっている。写真や動画といった限られた枠内でどのように表現するかが重要であり、それは年齢に応じて様々な見せ方ができる可能性を秘めた芸術だと思っている。
グラビアアイドルはすでにアイドルの枠を超え、活動の幅は拡がっている。
その意味ではグラビアをメインに活動するタレント、「グラビアタレント」と呼び、従来のグラビアアイドルとは異なる新たなジャンルを打ち立てる必要があるのではないかと思っている。
本書を通じてグラビアアイドルの歴史を振り返ることができたのは大変良かった。

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