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誰の支援を受けたいか、誰の支援は受けたくないか

事業所の活動で利用者と一緒に外出をするときは、支援者と利用者でペアを組みます。事業所によっては「担当」という言い方をします。ペアを組む目的は、外出先で利用者が安全に過ごせるように配慮することです。特に電車に乗るときは、確実に電車に乗った、電車から降りたという確認が必要になります。しかし、このペアの目的を理解できていない支援者は利用者の自由を奪ってしまいます。

利用者は、決められたペアとは関係なく他の支援者のところにくっついて行くことがあります。すると、あらかじめ決められたペアの職員が、「○○さん、今日は私と一緒です。こっちに来て。」と引き戻します。少々離れていても利用者の安全を確認することはできます。常にべったりと横にくっついている必要はありません。

そもそもこのペアは支援者の視点で組まれることがほとんどです。支援者がこの利用者とこの支援者なら大丈夫、この支援者なら対応可能、この支援者と相性が良さそう、そういう判断をします。支援者は外出中に万が一のことがあってはいけないので、一番確実な策を講じます。

課題は、安全性を確保しつつ、利用者の希望をどうやって叶えるかということです。

以前、ある利用者が言いました。「あの人(ボランティア)ダメだなぁ」そのボランティアさんはとても気がつくボランティアさんでした。でも利用者にとっては口うるさい人、という認識だったようです。でもその頃は、利用者に「そんなこと言わないの。そういうことを言っていると行かれないよ。」、そんなことを言っていました。

利用者にとって、誰から支援を受けたい、誰からは支援を受けたくない、その気持ちは大切です。私たちは利用者が心地よい、と思える環境を作ることが求められます。心地よい環境が幸福感につながります。

支援者主導になってはいけない、常に意識していないとパターナリズムというダークサイドに落ちてしまいます。

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