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登壇者の発表を共同体感覚の視点でみる

2019年12月07日、障害者週間シンポジウム「とつかで暮らす」を開催しました。当日は、冷たい雨にもかかわらず、180名ほどの人が集まってくれました。今年は町内会、民生委員、地区社協など地域の方がたくさん来てくださったことが大きな成果です。

とつかで暮らす」では、障がいのある4名の方が登壇し、生活や活動についてお話をしてくれました。そのお話を整理すると、アドラー心理学の思想、共同体感覚で説明することができます。早稲田大学の向後千春先生のスライドを引用してまとめます。

一人目は精神疾患が発症し対人関係で苦しんでいる方でした。それが趣味のアクセサリー作りを活かせる福祉事業所に通うことで仲間や支援者と一緒に革細工に取り組んだり、子ども食堂で接客ができるようになったとお話がありました。

二人目は高齢で知的障害のある方でした。年齢とともに生産活動ができなくなってきました。しかし、おしゃべりが得意なことから会議への参加や、イベントの司会を支援者と一緒におこなうことで気持ちが活性化されたとお話がありました。

三人目は頚椎損傷により、四肢が動かなくなり車いすで生活をされている方でした。入院中から、幼なじみが外出の手伝いをしたり、地元に戻るための応援、グループホーム建設の手伝いをしてくれた、みんなに感謝したいとお話がありました。

四人目は脳血管障害のある方でした。長い長いリハビリを乗り越えることができたのは支え続けてくれた家族のおかげであり、これからは福祉作業所で経験をつみ、就労に結びつけ、家族に恩返しをしたいとお話がありました。

アドラー心理学の思想、共同体感覚をもつということは、その共同体の仲間のために貢献し、協力して「人生の有益な面」で行動できるようになることだといいます。向後先生の説明では、まず自分を受け入れ(自己受容)、そのままの自分でいられる居場所で(所属)、信頼できる仲間を作り、その仲間のために貢献していく、するとさらに自己受容が高まるとしています。それが下記のスライドです。

共同体感覚

今回の登壇者のお話は、すべてこの共同体感覚にあてはめることができます。支える仲間と、活動できる場所や活躍できることがあり、貢献していこうとしています。今回のシンポジウムに登壇してくださったことも大きな社会貢献になっています。

ご登壇くださった皆さま、ありがとうございました。


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