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記録を書く目的(アドラー心理学実践講座 第2回目より) ④

10月04日(木)から早稲田大学のエクステンションセンター中野校で向後千春先生の「アドラー心理学実践講座」が始まりました。今回もそこで学んだことを障がいのある方への支援場面でどのように活用できるか実践報告を交えて考えていきます。

10月10日、第2回目のテーマは「案内図としてのライフスタイル」でした。本題に入る前に、前回の講義への質問に対する回答と説明がありました。今日は、その中で気になった質問と回答について実際の支援場面に照らし合わせたことを書きます。

質問は、「アドラー心理学を学んでどう変わったか、自分と相手の変化を記録すると良いその理由は何か」というものでした。それに対して向後先生からは、「まず書くことに意味がある、書くことによって決心せずに変わることができる、記録をしないといつまでも今の自分が基準になって変わることができない」と説明がありました。

気になったことは、自分が変わるために書くということです。支援場面における記録は、ほとんどが対象となる利用者の変化についてです。その記録を読んでいると、利用者の課題は本人に原因があると考えている支援者が多いことが気になります。また、支援者によるケース会議では、支援者のかかわりに対して利用者がどう変わったか、どのようような成果があり、どんなサービスが不十分だったかという議論に始終します。サービス内容について見直しをすることはあっても、支援者のかかわり方について触れることはありません。

障がいのある方の支援において、利用者本人の意思を尊重することが大原則です。支援者もそれをわかっています。しかし、支援者の中には、利用者を変えようと指導する場面がたくさんあります。同様にご家族に原因があるからどうにかしなければいけないという話にもなります。私たち支援者は、ご家族の支えの一つになることはできます。しかし、ご家族の価値観や生活様式を変えることはできません。

以前、アドラー心理学に基づいて「他者を変えることはできない」と発言をしたところ「それじゃ何もできないじゃないですか」と反発されてしまいました。私は、他者を変えることができないと言いながら、支援者を変えようとしていました。アドラー心理学に出会ったばかりの私は、アドラー心理学を使いたくて急ぎすぎていたようです。

まずは、自分のかかわり方の特徴に気づくことが大切です。自分がどのようなかかわりをして、そのとき利用者がどのように反応して、その結果どうなったのか、それを書くことによって客観的に見ることができます。またそれを使って話し合いをすることができます。

「なぜ書くのか」、書く目的を意識したいと.思い.ます。

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