見出し画像

やさしく伝える/領域固有性と転移について (教える技術より)

01月24日に開催された早稲田大学オープンカレッジ2019冬講座「教える技術・第3回」の報告、その2回目です。今回は「認知技能の教え方」について学んでいます。

講義の中ではWason問題とアルコール問題を例題にして、領域固有性と転移について学びました。ローマ字や数字を並べただけの問題を論理構造が同一な身近な話題で試してみると、わかりやすくなるということです。

領域固有性は、その領域では正しく使えます。しかし領域や文脈が変わってしまうと使えなくなることがあります。逆に領域を越えて利用できることを転移と言います。そのためには専門家しかわからない言葉を使わず、身近な言葉に言い換えて教えることが必要です。

障がいのある方の支援は説明をして同意を得ることから始まります。また説明はご本人だけではなくそのご家族等にも必要です。最近は制度に合理的配慮が義務づけられたことにより、ご本人が理解しやすいような工夫がされるようになりました。

さらに、私たち福祉従事者は一般市民にも福祉制度をわかりやすく説明する責務があります。 しかし、その点については十分な配慮がされていないことがあります。その多くは専門用語やカタカナ言葉の羅列、複雑な言い回しです。おまけに資料が膨大な量のことがあります。

以下は、ある行政機関が市民の福祉活動を促進するために、福祉関係者と一般市民を集めて今後の行政の取り組みを説明したときの資料の一部です。

ICTの活用により本市の政策課題をわかりやすく提示し、民間と行政がオープンデータ―に基づき、アクションを興すためのプラットホームを構築

さっぱり、わかりません。この資料の最後に提案事例が書いてありました。たとえば、地域にバリアフリーな居場所を作る、高校生の職業体験の場を地域に増やす、高齢者によるカフェの運営だそうです。

これが専門領域を越えると利用できなくなる教え方ではないでしょうか。

また、最初の説明書きが無い方がわかりやすいのは私だけでしょうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?