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街で暮らすということ

2019年12月07日、障害者週間シンポジウム「とつかで暮らす」を開催しました。当日は、冷たい雨にもかかわらず、180名ほどの人が集まってくれました。今年は町内会、民生委員、地区社協など地域の方がたくさん来てくださったことが大きな成果です。

私たちが実施している「とつかで暮らす」は障がいのある人についてのイベントではなく、街で暮らす全ての人に関係するイベントです。

今年は障がいのある4名の方が登壇し、生活や活動についてお話をしてくれました。その中のお一人の発表を紹介します。

その方は30代前半で脳溢血で倒れ、半身マヒという障害を負いました。その後、遠く離れた病院でリハビリをおこない、今は家族と一緒に生活ができるまで回復をしました。しかしその方が倒れたときは次男が産まれたばかり、2人の子どもの一番かわいいときを私は知りません、という言葉が胸に刺さりました。

お話をうかがいながら考えたことがあります。

エレベーターに乗るとき
私たちは、街でエスカレーターに乗るとき左側に寄って立ちます。しかし左半身にマヒがあると左側の手すりにつかまることができず、右側に立つことになります。右側に立っていると、真後ろに人が立ち、そのイライラ感がヒシヒシと伝わってくると言います。

バスに乗るとき
私たちは、バスに乗るとき歩きながらICカードをタッチすることができます。しかし体にマヒがあると一度立ち止まってから無料パスを出します。すると後方から怒られると言います。

こういうことが繰り返されると、街に出ていく勇気が失われます。これから先、私たちはいつ、どのような状況で障害を負うかわかりません。私たちが続けるイベントは、ひとりひとりが街で暮らすことについて考える、万人に共通する課題です。

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