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相手の関心に関心を持つ

2020年の仕事始めの日、グループホームで生活をする利用者が、支援者に冬休み中のことを話ていました。

その利用者は、自分で伝えたいことがあります。しかし、それを上手に言葉や文章にすることができません。今回、話をしてくれた内容は、
「年末にグループホームでピザを注文して食べた、とても美味しかった。今度、食べに来て欲しい。15日の日曜日はどうだろう。」
おおよそ、このような内容でした。

同様の話はこの利用者にかぎらず頻繁にあります。また、このような話があった時の支援者の反応にはパターンがあります。

ある支援者は、曜日等にこだわり、正そうとします。たとえば「15日、日曜日じゃないよ、水曜日だよ、仕事じゃん」というような感じです。

ある支援者は、「わーい、おごり?、行く、行く」と盛り上げます。

私は、日頃から支援者に、相手の関心に関心を持ちましょう、とお願いをしています。最初の対応は、まったく相手の関心に関心を示していません。予定を把握するのに、月日と曜日は大切です。しかし、すべての人がそのロジックで生活をしていません。支援者は正しいことを教えたと思っています。しかし利用者は自分の主張を否定されたと思います。

また、利用者から、何かに誘われたときの応答は慎重にしなければいけません。中途半端な約束や軽はずみな応答は、へんな期待を持たせてしまい、のちのちトラブルになります。後者の支援者の応答は、会話は盛り上がり、利用者も喜びます。しかし、利用者は、その支援者がピザを食べに来てくれると思います。しばらくして、食べに来てくれないじゃん、と言われてしまいます。

相手の関心に関心を持つという視点では、この利用者が年末に食べたピザが美味しかった、そのことを報告したい、という点に関心を持つのが良いのではないでしょうか。「ピザ、美味しいね」「エビのってた?イカは?」「ビールも飲んだ?」そんな質問をしたら、今回は「バーカ、コーラだよ」と笑っていました。

冬休みの思い出話は、しばらく続きます。「聴く姿勢」を意識して会話を楽しみたいと思います。

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