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誠実であること

グループホームの職員から電話がありました。入居者さんとのやりとりで困っているから、かわって話をしてくれというのです。電話をかわって入居者さんの説得にあたりました。

入居者さんの中にはお一人で一般の交通機関を使って事業所に通っている方がいます。その方が帰り道、すれちがった人から「あなた100円、落としたわよ」と言われて100円を手渡されたというのです。

入居者さんはその場は受け取り、ホームに戻ってから小遣帳をつけたところ100円多い、あの100円は自分のではない、人のお金をもらうわけにはいかないと悩み始めました。結果、困ってグループホームの支援者にその100円を渡しました。支援者はその100円のあつかいに困り私のところに電話をしてきたのです。

電話をかわった私は、あらためて事情を聴いたうえで、まちがいではあるが受け取ったらどうかと提案をしました。しかし入居者さんは、自分のお金ではないから受け取るわけにはいかないの一点張りです。しまいには、いつも髙橋さんに世話になっているから、髙橋さんあげるというのです。それこそ私も困ります。

途中、話題を変えて世間話をしたりしてみました。でも時間を見るとすでに20分が経過しています。あらためて説得にあたった結果、髙橋さんがそんなに困っているなら今回はもらってあげるから、と言って解決です。

やりとりの途中、入居者さんが言った言葉が心にささりました。

髙橋さん、100円っていったって人のお金だよ。そう簡単にもらうわけにはいかないよ。

たかだか100円ぐらい自分のお財布に入れちゃえば良いのに、っと最初から思っていた自分を反省しました。

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