見出し画像

まなびウィーク/社会を支える人について学ぶ

テレビを見ていたら、ゴールデンまなびウィークというキャッチフレーズを耳にしました。みんなで教えあったり学びあう、そんな週間だと思います。

私は、社会福祉法人の経営者です。今日は、そんな私から皆さんに知ってもらいたいことを書きます。この機会に、社会の仕組みの一つを知っていただけたら嬉しいです。

地域のことについて考えよう

たとえば、A市は65歳以上の人口比率が高く、また若者の流出が多いという特徴があるとします。この情報だけで、A市について想像をすると、多くの人は、A市に対してネガティブなイメージを持ちます。

私は、通信制の大学生です。これはその講義で出された例です。

ありがちな対応として、上記の情報から、A市には、町を活性化するような支援が必要ではないか、という計画が立てられます。私たちは、高齢者が多く、若者が少ないと聞くと、その町は元気がないとか、さびれているとか、勝手なイメージを持ちます。しかしこれは、偏見です。

高齢者に支えられている

今、高齢者と呼ばれる人たちはとても元気です。私たちの地域を支えている町内会、その中心は高齢者が大半です。また、民生委員の多くも高齢者です。2019年に厚生労働省が発表した調査結果では、民生委員の平均年齢は66.1歳です。全国の民生委員の内、54.2%が60代、30.8%が70代です。地域は高齢者に支えられています

私たちは、高齢者と聞くと、福祉サービスを受ける人という印象を持ちます。しかし、地域福祉の担い手は高齢者です。

同様に障がいのある人は、福祉サービスを受ける人という印象を持ちます。しかし、何から何まで福祉サービスを受けているわけではありません。また私たちの生活の中には、障がいのある人たちが請け負った仕事で成り立っていることがあります。

障がい者の労働について

障がいのある人の中には、一般の雇用契約とは別に、福祉サービスのプログラムの一つとして働いている人がたくさんいます。とてもとても低い工賃で働いています。福祉サービスの一つなので、その働きに最低賃金は適用されません

ある事業所は、車のある一部の部品や、精密機械の一部の部品を組み立てています。またある事業所では、デリバリー弁当の包装関係の仕事をしています。どれもこれも目には見えない部分です。しかし、なくてはならない仕事です。それは、工場や作業場のラインに乗る前の仕事です。

これらの仕事を、その発注先の企業が行うと、人件費が上がり、商品の単価が上がります。私たち消費者は、この労働のおかげで安価に、手に入れている物があります

また福祉サービスを提供する事業所も、利用者のプログラム提供や工賃の支払いがあるため、単純作業が必要です。そのため単価が低くてもその仕事を受けます。

社会における役割

地域の安心を民生委員が支えてくれています。その民生委員は無償です。社会は経済活動だけで維持されているわけではありません。

今、外食をひかえ、デリバリーを頼む人が増えています。そのため、下請けの下請けのさらに下請けの…小さな仕事が忙しくなりました。

私たちの社会では、人それぞれ必ず役割があります。福祉サービスを利用している人も、社会の中で重要な役割を持ち、社会に貢献をしています。私たちの生活を支えてくれています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?