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褒美を使うときの注意(教える技術より)

01月31日に開催された早稲田大学オープンカレッジ2019冬講座「教える技術・第4回」の報告、その2回目です。今回は「態度技能の教え方」について学んでいます。

前回、自己調整力の高め方の実例として小さな褒美と記録をつけるということの有効性を書きました。上手に褒美を取り入れることで参加意欲や持続性が高まります。今回はそのときの注意点について書きます。

私が日常の支援で気をつけていることは次の3点です。

1.日々の様子から好きなことを探す(よく見る)
2.環境を整える(障害に配慮しているか)
3.命令になっていないか(支援者都合になっていないか)

1.日々の様子から好きなことを探す(よく見る)

この活動が終わったら、外に散歩(褒美)に行こうかと、提案することがあります。私たちは外に行くことは誰しもが好きた思いがちです。しかし、利用者さんによってはそれが苦痛になってしまう方がいます。外に行くというより、予定外の活動が苦手な方です。日ごろから利用者さんをよく見て、何が好きかを判断しなければいけません。

2.環境を整える(障害に配慮しているか)

その人にあった褒美を見つけても、障害特性によりその環境が苦手な場合があります。たとえばザワザワ感であったり、物の配置がいつもと違う、段取りがいつもと違うなどといった場合です。そのような場合、褒美のために無理にその環境にいることになるので利用者さんはつらくなります。

3.命令になっていないか(支援者都合になっていないか)

支援者が褒美を使って、利用者さんをコントロールをしてはいけません。特に利用者さんが拒否をしている場面では、利用者さんの意思を正しくくみ取る必要があります。

「態度」というと、行動面のマナー的なことを想像しがちです。たとえば仕事中は立ち歩かないとか、人の話は静かに話を聞くとかです。今回の講義では、「態度」は決心して行動することだと定義されました。さらに目的やゴールをわかりやすく設定することも褒美につながるのだということがわかりました。そこで今回は意欲や持続性という態度について考えてみました。



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