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体が熱くなった「教える技術」初回

2019年01月10日、早稲田大学オープンカレッジ2019冬講座「教える技術」が開校しました。講師は教えることを専門とする向後千春先生です。この講座は今年で4回目になります。毎回バージョンアップして開催されているため、初参加の方と私を含むリピーターが混ざり、今回も教室が満員状態となっていました。人気の講座です。

さて、初回のテーマは、教えるとはどういうことか、です。私は途中、先生が話された言葉に大きな衝撃を受け、体が熱くなりました。下半身から頭に向けて大きなエネルギーの塊が突き抜けた感じです。さらにそれが2回もありました。おかげで帰宅してからも頭がさえまくり寝つけない程でした。今日はその一つについて書きます。

学校の先生の教え方の一例としてこんなエピソードがありました。

先生は生徒に「やりなさい」と言う。しかし生徒はそのやり方をわかっていない。だから、できない。それが生徒のやる気をくじく。

私は障がいのある方に作業や生活に関するプログラムを提供し参加してもらうことをしています。その中で、やり方を説明することなく、もしくは一般的なやり方を簡易に説明しただけで進めてたことがありました。相手はやり方をわかっていてあたりまえという前提で説明をしていました。

さらにその活動に参加できない場合、あたかもその方に課題があるとして、どう支援をすれば良いのかという発想におちいっていました。説明さえ間違えなければ正しく習得できたかもしれないことを、教え方がへただったばかりに達成することができず、結果、「支援される人」になってしまった場面があったということです。

人には個人差があります。活動に参加されている方においては年齢も、経験も障がい内容も様々です。それをまとめて説明し、できるできないの判断をしていました。

近年、合理的配慮といって、一人ひとりその方が理解できるような説明方法をしなければいけないという流れができてきました。その考えですら、相手には障がいがあるから配慮しましょうという発想です。それに対して向後先生は、教えたのにできないのは100%、教える人の責任であると言います。この言葉は、今回の講座の参考図書、「世界一わかりやすい教える技術」の裏表紙に書かれている言葉です。

また本を引くとこんな言葉がありました。

「教えたつもり」は自己満足
相手ができるようになっていなければ、教えた人は「教えたつもり」になっているだけです。

出典
「世界一わかりやすい教える技術|向後千春」(永岡書店)
https://www.amazon.co.jp/dp/4522436386/ref=sr_1_fkmr0_1?ie=UTF8&qid=1547213229&sr=8-1-fkmr0&keywords=%E6%95%99%E3%81%88%E3%82%8B%E6%8A%80%E8%A1%93%E5%90%91%E5%BE%8C%E5%8D%83%E6%98%A5

さらにnoteを書いて気が付いたことがあります。上述の向後先生の言葉を支援場面に置き換えると次のようになります。
利用者さんが満足していなければ、支援した人は「支援したつもり」になっているだけです。
これはとても怖いことです。

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