鬼になって乱入!
昔、鬼のかっこうで、神社の節分祭に乱入したことがあります。
私は、福祉系の専門学校を卒業したのち、地元の小さな福祉作業所の支援者になりました。そこで障がいのある人たちと一緒に無農薬の野菜を作っていました。そのころの話です。
神社に鬼、あらわる。
節分の日、作業所の近所にある神社で、豆まきがありました。私は、その神社に利用者の皆さんと一緒に行くことになりました。そこで鬼のかっこうで歩いて神社に行きました。
私の設定では、作業所で豆まきをしたあと、鬼が逃げて行く、その逃げた先が神社で、再び豆をぶつけられる、そんな感じでした。ただし、これは私が勝手に描いた台本です。
あのころの私は無茶でした。神社には、何も告げることなく、鬼のかっこうで、行きました。鬼のお面をかぶると、前が良く見えません。そのため、利用者に介助をしてもらいながら神社まで行きました。利用者も、神社に集まっていた人も喜んでくれました。しかし、作業所に戻ったら、作業所の代表に、「騒ぎすぎです」と注意されました。
切羽詰まると思いつく
あのころは、普通のかっこうをしていることがつまらなくて、いろいろなモノに変身しました。今は、100円ショップに行くと変装道具をいっぱい売っています。しかし、まだ、100円ショップがない時代です。何から何まで手作りをするしかありませんでした。
節分前夜、偶然、ピンクの紙袋見つけました。そこに、折り紙や色画用紙をくるくると丸めたものをくっつけて髪の毛にしました。
昔から計画性がなく、切羽詰まった状態で、ひらめくことがあります。ひらめいたらやらないと気が済みません。そのため、たいてい前日にやり始めて徹夜で仕上げるというのが常でした。このお面もそうだったと思います。しかし、完成度は高く、かなり良いお面が出来ました。
また、赤のトレーナーとスエットズボンは当時のが普段着だったことが笑えます。
神社からオファーが…
私は、この半年後、この作業所を退職しました。予定では、アメリカに住む、おばさんの所に行くつもりでした。しかし、おばさんが体調をくずしたことにより、アメリカ行きはなくなり、アルバイト先で知り合った友達が住む、中国に行きました。そのことは、以前に少しだけnoteに書きましたのでよかったらご覧ください。
中国に出かけたのが、2月でした。中国に行く直前、お世話になっていた作業所の支援者から電話がありました。
「今日、神社の人が来てさぁ、今年も鬼に来て欲しいって言うんだけどどうする…」
私は、片手に受話器を持ち、もう一方の手で、ガッツポーズをしました。
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