見出し画像

連絡帳にネガティブなことは書かない

福祉業界には、利用者の家族と支援者の間に「連絡帳」が存在します。これは暗黙の了解です。「連絡帳」には、支援者が今日のできごとを書きます。またご家族によっては、ご家庭での様子を書いてくれることがあります。この「連絡帳」が必要かどうかは、今後、議論していかなければいけないことだと考えています。

昨日noteには、なぜ「連絡帳」を書くのか、ということについて書きました。今日は、この「連絡帳」に書く内容について記事を書きます

私が連絡帳に書いていたこと

私は、障がいのある人が利用する事業所の法人を経営しています。今は、理事長職が主な仕事です。しかし、以前は現場の支援者でした。そのころは、私も毎日、連絡帳を書いていました。

利用者の中には、頻繁に他の利用者に叩いてしまったり、物を壊してしまう人がいます。また、気持ちが不安定ですぐに泣いてしまう人がいます。

私は、勤め始めたころ連絡帳にはなんでも書いていました。「今日、〇〇さんを叩いてしまいました。幸い、怪我はありません」とか「今日は、一日、泣いていました」そんな感じです。

あるとき、ある利用者のご家族に言われました。
「そんなに細かく教えてくれなくていいから、この子が、泣いているのは今に始まったことじゃないんだから」

また、別のご家族からは、こんなふうに言われました。
「わかっているけどさ、1ヶ月分まとめて読むと気持ちが萎えるね」

この利用者は、グループホームに入居していて、実家に帰るのは月に1回でした。ご家族は、そのときに一ヶ月分の連絡帳を読んでいました。また、その連絡帳にはネガティブなことばかりが書かれていました。

ご家族は言われなくてもわかっている

ご家族は、自分の子どもが、日中活動で、グループホームでどんな生活をしているかだいたい想像ができます。すべてお見通しです。わかっていることをあらためて書かれ、それをまとめて読むことは、大変辛いことです。私は、そこに気がついていませんでした。

毎日、連絡帳にネガティブなことばかり書かれていたら、ご家族は、不安になるし、みんなに迷惑ばかりかけて…このまま利用していていいのだろうかと思い、利用を躊躇します。私の法人では、支援者に、読み手の立場で連絡帳を書くようにお願いをすることにしました。

ネガティブなことを伝えるときは…

しかし、支援者も愚痴っぽくネガティブなことを書きたくなることがあります。支援者もどうして良いかわからず、困り果ててネガティブなことを書いてしまいます。その点は、周りの支援者が察知してサポートするように気をつけなければいけません。

ネガティブなこと、本当に困ったときは、連絡帳ではなく電話で伝えます。それも担当の支援者ではなく、まず、間接的にかかわる私や相談の支援者が電話をします。「最近、ちょっと気になることがあって…」、そんな感じで切り出したあとお会いしてお話をします。

今は、できるだけネガティブなことは連絡帳に書かないようにしています。しかし、書かないことでトラブルが起きました。(つづく)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?