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車がないと困る人たちのこと

2019年も終わりが近づいてきました。今年もいろいろなことがありました。その中で、私の仕事と関係することをひとつ書きます。それは高齢者ドライバーによる事故です。

今年は高齢者ドライバーによる大きな事故がありました。その後も高齢者ドライバーによる事故の報道が後を絶ちません。免許証の返納をすすめる呼びかけがされています。しかし、運転免許証がなければ生活が成り立たない人たちがいます。

以下は、私がかかわった障がいのある人の家族で、車がどうしても必要な例です。
1.日中活動への送迎があるため
2.住居が高台にあり買物や通院に必要なため
3.障がいのある本人のこだわり

1.日中活動への送迎があるため
ご家族の送迎で日中活動場所へ来ている人がいます。事業所の中には、すべての利用者の送迎を行っているところがあります。しかし、私の事業所ではすべての利用者の送迎ができていません。その送迎をしているご家族の中に後期高齢者の家族がいます。ご家庭と日中活動場所が離れていると私たちも送迎ができません。

2.住居が高台にあるため
県営住宅に住んでいる人がいます。県営住宅は、障がいのある人やそのご家族が優先的に入居できます。そのため県営住宅には障がいのある人が多く住んでいます。しかし私の関係する地域の中で2カ所の県営住宅が高台にあります。ご家族が高齢になり、一人で買物に行くのが辛くなります。さらに障がいのある家族を家に置いて買物に出られないため、車が必要になります。同様に通院も同じです。その地域はバスが通っていません。以前はバスがあったと言います。しかし、30年以上前に廃止されました。最近、インフォーマルなサービスで複数の社会福祉法人が連携して買物支援等を始めました。しかし、数的には極少数です。

3.障がいのある本人のこだわり
利用者の中には、週末のドライブを楽しみにしている人がいます。車でドライブをしないと落ち着かない人もいます。ご家族も、家にいると何かを食べて肥満につながるから、という理由で車で出かけることを増やします。他にも一般の交通機関を利用できない人がいます。車はなくてはならない必需品です。

障がいのある人の移動をサポートするサービスとしては、移動支援というサービスがあります。しかし、人手不足でまったく機能していません。さらに障がいのある人が生活するグループホームや昔からある入所施設も絶対数足りていません。

高齢者ドライバーが安心して免許証を返納できるよ、個々のニーズを明確にして公的なサポートを提案していかなければいけない時期が来ています。



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