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強みを見直す

1月も残り一週間を切りました。そろそろ2021年度の事業計画案をまとめなければいけません。今回の事業計画案では、通常の事業計画案に合わせて、私たちの法人や事業所の強みについて見直します。

2020年度は、コロナ禍により、事業計画どおりに進まないことがたくさんありました。前期に予定していた事業は、中止や規模の縮小、制限でした。また、後期事業も計画の半分は中止や延期になりました。延期は、先の見えない延期です。しかし、わずかながら、状況に応じた新しい試みが始まっています。その点からも、自分たちの強みを見直す良い機会です。

利用者を選ばない、ことわらない

私は、障がいのある人たちが利用する事業所の経営をしています。今は、理事長です。しかし、私の始まりは現場の支援者でした。そのころの事業所の強みは「ことわらない」でした。

当時のホームページには、こんな言葉を載せていました。

無題

これは、アントニオ猪木さんが引退したときに語った「迷わず行けよ、行けばわかるさ、アリガトウ!」をもじり、当時の利用者に書いてもらいました。また、大元は、真宗大谷派の寺院のご住職、清沢哲夫さん(故人)の著書『無常断章』に掲載された「道」という詩だと言われています。

空きがあればことわらない

私たちが提供していたサービスは、制度上、知的障害のある人が使う日中活動という分類でした。しかし、実際にはいろいろな障害を合わせ持った人たちが利用していました。まだ、今のように福祉サービスは細分化されていませんでした。

また、全国的にも福祉事業所の数が少なく、養護学校卒業後の進路が決まらない人がいた時代です。養護学校の生徒は在学中に、福祉事業所等で1週間から2週間程度の実習をします。それは、採用試験です。2週間の実習をしても「うちにはむきません」「利用は無理です」と断られることがありました。しかし、私たちの事業所では、ことわることをしませんでした

なぜ、ことわらなかったかというと、私たちのような無認可事業所を希望してくれる人がいるだけでうれしかったとことと、そのころの私たちには、利用者を選ぶほどのスキルがなかったことが理由です。当時の私たちの選考基準は、事業所の定員に空きがあるかどうか、ご本人が望むかどうか、この二つだけでした。空きがあればことわらない、それが私たちの事業所の強みでした。

しかし、時代は大きく変わりました。福祉サービスは、細分化されて専門性が重視されるようになりました。また、事業所の数が増えて、魅力がない福祉事業所はつぶれる時代が来ました。

時代が変わると強みも変わる

強みは時代とともに変わっていかなければいけません。今は、自分たちの強みが活かせていても、来年、再来年、その強みが活かせているかわかりません。自分たちの強みがいつしか時代遅れになってしまうことが起きています。

私は、知らぬ間に強みを意識しなくなっていました。時代遅れになっていることを自覚したくなかったのでしょう。今、利用してくれている皆さんのためにも事業継続は必須です。強みを見直し、鍛えなおす時期が来ています。

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