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琵琶湖の鮒寿し料亭でのもてなしは大人な体験だった

縁あって鮒寿しを食べに琵琶湖に行きました。滋賀という県はあまり行く機会がなかったのですが、行ってみると本当にいいところだなぁと思いながら今後もまた縁に恵まれるといいな、と思ったり。

鮒寿しといえば、発酵食品で、ツンとする酸味ともわっとする米由来の風味が特徴で、酒の肴としての食べ方しか知りませんでした。塩っ気も相まって酒との最高の相乗効果。それを感じられるのだと思っていたらなんとこのお店では懐石料理に鮒寿しを組み込んだ料理を作られているとのこと。それを体験してきました。

※鮒寿司とは滋賀県の伝統的な郷土食で、ナレズシという乳酸菌発酵を利用した保存食

鮒寿しをふんだんに使った料理たち。

中にたっぷりの鴨肉が入っていておいしかった

テナガエビの天ぷらは濃厚な味で最高で、、

鯉のお刺身、コリコリしてて美味しかった。

一番美味しかった鮒寿しのお茶漬け、クリームパスタは写真をおいしそうすぎて撮る前に食べてしまいましたが、鮒寿しとはこう楽しむものだと感じたすばらしいお店でした。ご飯に鮒寿し、お湯を注ぐだけでこんなにも旨味が出るのかと、おしゃれの極みで驚きました。

またおもしろいのは、鮒寿しをはじめとする「熟れ寿司」と言われる寿司は、いまの寿司の原型だったとのこと。乳酸菌で酸っぱくなった寿司に倣って、寿司酢を使い、現在の寿司の形に進化していったとのこと。熟れ寿司の概念が変わるいい体験でした。

雪道でしたが、安全に通れる道までお教えいただけ、とても優しく心地よいもてなしに感動しました。宿泊も1日1組限定でされているそうなのでまた次回泊まりに行かせていただこうと思います!

p.s.
懐石料理は最初に香煎という名で白湯のようなものがでてきます。寒い中来てくださったお客様にまず先に1杯あたたかいものを飲んでいただきたいという思いと、その後の料理の感覚を鋭くするためにお出しするのですが、湖里庵もまず席に着いたらすぐに香煎がでてきて、お茶どうぞ、と懐石が始まりました。外の人としてきている自分達が急に中の人になれる、そんな亭主とお客の間を心地よく埋める入り口の設計は素晴らしく、改めて日本の懐石の様式は素敵だなぁと思いました。

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