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野球とボクシング。それぞれ経験したからこそ見えた自分の適性/【俺と野球】
25歳、一児の父。
現在、初のパパ業務に奮闘中の小林一輝さん。
昨年11月に愛娘・琴美(ことみ)ちゃんが生まれた。
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そんな小林さんは高校時代、ボクシングに明け暮れた。
きっかけは、漫画「はじめの一歩」の影響。
ボクシング部に所属し、大会へ向け汗を流していた。
ただ、始めたのは高校生になってからと比較的遅かった。
ボクシング選手や経験者の多くは、小学生の頃から始めるのが一般的だ。
では、それまでは何をやっていたのか?
その答えこそ、野球である。
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野球を始めたのは小学4年生の頃。
クラスの友人に誘われたのがきっかけだった。
加えて元々、父の草野球の試合を見に行っていたということもあり、近い存在ではあったのだ。
こうして彼は、初めてのスポーツに野球を選んだ。
開口一番、「楽しかったですね」と当時を振り返った。
ただ、入団した時には、上級者でレギュラーが固められていた為、ベンチを温めることが多かった。
その為、試合での思い出はこれと言ってないという。
「チームの皆とのお喋りのほうが印象に残っていますね」と口にした。
「練習終わり、河川敷から自転車で帰っている時とか。
当時、遊戯王(カードゲームのアニメ)が流行っていたので、『新しいカード買った?』とかそういう会話で盛り上がった記憶があります」
ただもちろん、控えに甘んじるつもりはなかった。
「もっと試合に出たくて、練習のない日は父にキャッチボール相手をしてもらっていました。
あとは目立ちたいという気持ちもあったので、野球といえばピッチャーじゃないですか。
ピッチャーは一度やってみたかったですね。
上手くなかったので積極的に手を挙げることはできなかったですけど」と、誰にも話したことのなかった胸の内を語ってくれた。
結果、野球から離れることになった中学校1年生の途中まで、レギュラーに定着することはなかった。
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その後の中学2年間は水泳部に所属。
そして高校入学と同時にボクシングを始めた。
小林さんは、団体競技である野球と、個人競技である水泳、ボクシングとの違いを「意識の持ちよう」と語った。
「前述した通り、野球をやっている時は、上手くなりたくて練習も頑張っていたんですけど、でも心のどこかで『チームの皆がいるから、自分1人くらい一生懸命にやらなくても・・・』という気持ちはあったんです。
『別にミスしてもいいだろう』というか。
チームの皆がカバーしてくれるので。
でも水泳、ボクシングとなるとそうはいかない。
『自分くらいちゃんとやらなくても』が通用しない。
誰もカバーしてくれないし、全て自分との闘い。
当然ですよね。
だからこそ、特にボクシングは1番熱中できたスポーツでした」
小林さん自身、愛されキャラで、誰とでも仲良くなれる性格ではあるが、ことスポーツにおいては、個人競技のほうが肌に合っていたのだろう。
「もちろん野球をやっていて良かったなと思うことは沢山あって、特に友人ができたということは良かったです」
社会人になった今でも、当時共に汗を流したチームメイトとは定期的に食事に行く仲だという。
小林さんにとって野球とは、大切な仲間に出会わせてくれたスポーツ。
そして、自らの適性を理解する機会を与えてくれた、かけがえのない存在だ。
昨今、読売ジャイアンツや阪神タイガースが女子チームを設立するなど、女子野球ブームが到来している。
最後に、「もし娘さんが野球をやりたいと言ってきたら?」と問うと、
「いやぁ、女の子だからどうかなぁ。まあでも、本当にやりたいならやらせたいし、応援するかなぁ」と返答してくれた。
それが何年後になるかは分からない。
だがその時にはぜひ、短い野球人生ではあったものの、学んだことを存分に教えていってもらいたい。
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