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バッセン師弟空間#3 龍君流・スランプの乗り越え方


東京都足立区で活動する柳原スターズ。
同チーム内において、長嶋・松井を彷彿とさせる師弟関係にあるのが、大久保監督と4番打者を務める龍君です。
25歳の若さながら指揮を執る同監督は、選手へのバッティングセンターでの指導を、練習時間外にも関わらず5年間続けています。
現在、その愛弟子が龍君です。
本連載では、2人の間に生まれる会話や空気感を、バックネット席さながらの臨場感でお届けしていきます!


最近、快音が聞かれない。
ここ数日は差し込まれてのポップフライやゴロが目立っていた。
この日も前回と比べ、芯で捉えた鋭い打球は少なかった気がする。

本連載の舞台・足立区内のバッティングセンター


「調子はあまり良くない」と口にした龍君。
「大体月に2・3回くらい、不調な時がある」
別々に聞いたにも関わらず、龍君の答えと大久保監督の答えは一致していた。
これも1年半を共に歩んできた師弟ならではか。

意見を交わしながら打席を待つ2人


不調の原因を「ポイントが後ろになっているのと、手首の返しが早い」と分析した大久保監督。
前回同様、彼はバッティングゲージに入り、真後ろから助言を送った。

今後、試合が多く組まれる時期に入る。
龍君の一打なくしてチームの勢いは生まれない。
長いトンネルにならないことを祈るばかりだが・・・
そう心配している筆者を見て、大久保監督はあるエピソードを話してくれた。

「振り返れば、以前も試合前日までスランプが続いたことがあったんです。
その時は、『野球ノートに書いたことを振り返って、家で10回でもいいから素振りをしよう』とアドバイスを送りました。
そしたらその翌日の試合でランニングホームランを打ったんです」

相好を崩しながら口にしてくれた。
すぐに実行して、さらには形にしてくれる。
指導者として、これ以上の喜びはないだろう。

見事、監督のアドバイスに一発回答した龍君。
「監督に言われたことを意識して、それをただ守りながら打つだけです」
監督とは対照的に、ただ淡々と語っていたのが印象的だった。

何事にも動じず、ただひたすらバットを振る。
これが彼のスランプの乗り越え方である。
チームを引っ張る立場である以上、いちいち立ち止まってはいられないようだ。
口にした言葉通り、彼は今日も教えを守り、打席に入る。

もがきながらバットを振る龍君



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