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書斎の模様替えをした話

ストレスが溜まると部屋の模様替えをしたくなるのは何故だろうか。

別に今に始まった話ではない。子供部屋をもらった高校生の時から、わたしは何か気に入らないことがあったり気に掛かることがあると、中間試験の最中であろうが家族が寝静まった深夜であろうが、本棚の位置を変えたり机の位置を変えたりしていた。

本棚と一口で言っても、子供のころから多読で父親の本棚以上に本が詰まっている本棚である。数百冊はあった本を棚から引き出し、床に積み上げ、そしてまた位置を変えた後の本棚に戻す。結構重労働であったけれど、終わった後はえも言われぬ充実感と心地よい疲労感で気分がさっぱりした。

大人になってからもその習慣は変わらない。書斎の模様替えをするのであれば土日に、それこそ先週終わったばかりのゴールデンウィークの最中にすればよいものを、ゴールデンウィーク明けの業務が溜まりきった平日月曜日の夜に突然思い立って始めたのである。

いまわたしが住んでいる家は上大崎にある賃貸の一軒家で、こぢんまりとしてはいるが2階建てで、その2階の5畳ほどの狭い部屋を書斎として使っている。

本棚が4つ。180センチほどある樫の木の板をそのまま天板とした机と袖机、フルタワーの自作PC、そしてコロナ禍が始まって家から出なくなったために運動不足解消のために購入したスピニング用の室内バイク。机の上には42インチ4Kモニタ、27インチ4Kモニタ、32インチワイドモニタ、27インチWQHDモニタが鎮座している。

模様替えの極意は、細かいところにこだわらぬことである。大きなものからざっくりと動かすのが良い。細かいところに目が行ってしまうと、模様替えではなくただの掃除になってしまう。

わたしの書斎の場合は机の天板と袖机、本棚を入れ替えることが肝要だ。本棚に入っている本の並びや種類に囚われてはならない。モニタを全て別室に運び、机の天板を立てて本棚を置く場所を確保する。本を部屋の中央に積み上げ、それが天井にまで達したときには苦笑せざるを得なかった。

机のあった場所に本棚の一つを移し、本を戻す。

本棚のあった場所に机と袖机を配置する。

机の上にあったモニタを戻す(ただし、今回は27インチ4Kモニタを戻すのを諦めた。机の横スペースの関係で置く場所が確保できなかったからである。ちなみに、なぜモニタとしては解像度が低いWQHDの方を残して4Kを諦めたかというと、27インチ4Kモニタだと、老眼にキツいからである)。

仕事が終わる18時過ぎにはもう模様替えを始め、夕食を経てモンハンライズで一狩り行き、21時過ぎからまた模様替えを続けた。

部屋が片付いたのは深夜12時過ぎ。満足であった。仕事や人間関係の疲れはもうなかった。

料理はストレスの解消になるという。レシピ通りやればよほどの料理下手でない限りレシピ通りの美味しいものができあがるからだ。あるYouTuberが言っていたが、「過去と他人は変えられない」のである。しかし自分を変えることは容易ではないができる。料理とは、論理的科学的なプロセスであり、それを駆使することができたという自己肯定感が、自分を変えた、自分が変わったと思わせて、ストレスの解消に繋がっているのではないか。

おそらく、わたしにとっての書斎の模様替えも、これと似たような効果があるのではないかと思ったりしているのである。

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