障碍者割引制度を作った:参考はJR西日本

エスペラント合宿イベントの会計をした時に、障碍者割引制度を作った。

私が会計を引き受けたとき、最初の仕事は合宿予算案のチェックであった。割引制度の項目に「障碍者割引」があった。

・日本国外居住者割引        10,000円
・日本国外居住者特別割引 10,000円
・早期参加者割引                 3,000円
・学生割引                            2,000円
・障碍者割引                        2,000円

※科目は「販促費」

予算案には割引制度の説明がなかった。どの参加者に割引を適用するのか不明だったため、参加者への確認方法を具体的に決めることにした。

・日本国外居住者割引 →パスポート
・日本国外居住者特別割引 →廃止。理由は誰のための割引制度なのかスタッフの誰も知らなかったため。
・早期参加者割引        →参加申し込みメールが日本時間でxか月前
・学生割引                    →学生証

障碍者割引以外の確認方法は上記のように決まった。

さて、障碍者割引については参加者に交付されている障害者手帳(我が国の法律では障「害」と表記する)を確認すればよいのだが、調べてみると3種類があった。

1.身体障害者手帳
2.療育手帳
3.精神障害者保健福祉手帳

このうちどれに割引を適用すればよいのかは我々スタッフでは判断がつかない。私も含め合宿のスタッフはエスペラントをある程度扱えるという理由だけで声をかけられたのであって、イベントの経験は問われなかったのである。イベントの経験知識は不足していた。

参考にしようとネットで交通機関などの割引制度を調べてみたが、事業者によってまちまちであった。

が決め手としたのは、「合宿場所の最寄り駅は新大阪駅なので、JR西日本の制度に合わせよう」というもので、1と2が対象だった。3を外すことについて、スタッフから異論は出なかった。


さて、割引制度から3を外すことについては、当事者からは異論もある。作家の古谷経衡氏は自身が「精神障害者手帳」交付者であると明かしたうえで、当事者の立場から公共交通機関の精神障害割引導入の拡充を訴えている。

身体障碍者エスペランティストとしては、盲目の詩人ヴァスィリー・エロシェンコが知られるが、私の知る限り精神障害を持つエスペランティストのことは聞いたことが無い。

エスペラント界でも精神障碍者の「当事者」が何かを訴える日がいつか来るのだろうか?

時代背景:
本件は平成時代のエスペラントイベント(合宿)を扱っていることをご理解いただきたい。
無登録者が不特定多数の参加者をインターネット上で募集し、参加費を徴収する旅行や合宿は、旅行業法に抵触する。しかしながら、当時はまだ「大らかな時代」であった。子ども会が夏合宿をしたり、市町村役場が婚活ツアーを企画したりしていたが、所管官庁や警察、社会、私は黙認していたのである。



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