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自分の意見を考える前にまず感覚をキャッチしよう

rootの岸です。
最近僕の中で「ものすごく真面目だし熱意も理解力もあるのに、自分の意見が持てず、何を言えばいいかわからない」という状況を打開できずに困ってしまう人、けっこう多いのではないか、という仮説を持っています。
なぜそういう状態になるのかを考えているうちに、この「何を言えばいいかわからない」にはいくつかの段階があるのではと思えてきました。

例えばある話が行われている中で「何を言えばいいかわからない」状態は、以下のように分解できそうだと考えています。

  1. 話を受け入れることが出来ない

  2. 話の意味が理解できない

  3. 話は追えるが、自分の「感じたこと」をキャッチできていない

  4. 感じることはあるが、それを言葉にできない

  5. 言葉にはなるが、状況を読めず伝えるかどうか迷ってしまう

  6. 伝えるべきだという理解はしているが、その後に起きることの意味を考えすぎてしまい結局言えない

どれもそれぞれで対策の方法が違いそうな気がするんですが、この点についてはもう少し観察や調査を重ねてから書いてみたいなと思っています。
さて、今日はこの中でも、3の「話の意味はわかるが、自分の感じたことをキャッチできていない」状態について書きます。というのも、ここから先に進むために必要な点が、見逃されがちだからです。

「感じたことをキャッチできていない」とは

どんな人も、何かを見聞きした直後に、何らかの刺激を受けているはずです。共感とか、否定とか、そういう反射的な反応が生まれているように思います。意見というのは、この反射的な反応をきっかけとして生まれるものだと思います。何か外の意見に対して、自分がそれを知覚し、そうした知覚が言葉になって、そこから何かを言うことができる。
つまり「感じたことを言葉にする」という行為には「何かを感じたことそのものに自覚的である」という前提があるということです。

「感じたことをキャッチできていない」状況にあると、たとえば議事録を書くことは出来ますが、議事録を取ったにも関わらず、自分の感覚・経験に基づいた意見や、即興的な反応ができません。「思ったことを書けばいい」と言われても「思ったこと」というのはすでに頭の中から流れ去ってしまった後なので、うまく言うことができません。
このような時は、見聞きしたものに対する自身の反応を捉えられていない状態なので、まずはそこを捉えられるように鍛えていく必要があるように思います。

反射的に、感じたことを記録する

そこで個人的に良さそうだなと思っているのが、何かをキャッチした瞬間、反射的に湧いた感覚を記録することです。

例えば先ほどの議事録の例で言うと、書き終えてから言うことを考えるのではなく、議事録をとっている途中で生じた感覚をそのまま書きます。一旦書き終えてしまうと、途中で生まれた内容は
議事録がとれないと困る場合は、録音に頼ったり、あらためてそれを読み返しながら書いてもよいと思います。この場合も、聞いたり読んだりしているまさにその最中に書くのが大事な点です。

そうして記録したことの内容は、おそらく浅いものになります。「すごい」とか「わからない」とかです。しかしそういうことは一旦置いておき、自身の反応そのものを捉えることにとにかく集中する感じです。

年次によらず有効

この方法は、意見を言い慣れていない若手はもちろん、年次が上がっても有効な方法に思います。
年次が上がっていくにつれて「一般的な解き方」みたいなものがどんどんなくなっていく一方で、解くべき問題の影響度・専門性・詳細度が上がっていきます。そうなると、基本的には自分の知識経験を頼りに答えを出していくしかありません。

しかしこの「感じ」のキャッチが日頃から行えていないと「なんかあんなことあったなぁ」みたいな曖昧な記憶しか残っていないので、知識や経験の解像度が低くなってしまい、解像度高く答えが求められる場合に対応できなくなるのでは、と仮説を立てています。

むしろ「感じ」のキャッチが大まかに出来てしまったがゆえに、問題の影響度や詳細度が広がった時、それに対応できるだけの解像度の高さを示せず、また初めての問題に直面することにもなり伸び悩んでしまうケースもあるかもしれません。
なので年次の高い低いに関わらず、この「感じ」のキャッチが鋭く出来ているかどうかは気を配っておいた方が良いのかもな、と思います。僕も今この方法を試して、意見やフィードバックの解像度を上げられないか挑戦中です。

前に書いた「主体的に意見するための考え方と、こっそり訓練する方法」も同じ問題意識から生まれたものです。ここで紹介した訓練方法の他にも、いくつかのバリエーションを提案しているのでぜひご覧ください。

この記事はroot Advent Calendar 2022の記事です。


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