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響く地元愛

所有→優先してモノを扱う権能

扱うとは、
①使用(交換する)
②放棄(譲る、捨てる)
③保持(貯える、守る、捨てる)
④変化(壊す)

横浜に住み始めて、初めて海を認識した。
今まで住んできた場所が、海に近い場所ではなかったことは大きい。
ただでも、いわゆる海なし県出身ではない僕にとって、海はもう少し使用できる環境だったはずだった。

認識したキッカケは、去年始めた釣りだった。
初めて海を自分の生活圏に入れた時は、本当に世界が広がった気がして嬉しかった。

しかし、最近釣りがあまり好きではなくなった。
理由としては、近くの釣り場で不快な思いをしたからだ。
その釣り場は、常連ばかりで、ローカルチックな場所。そして狭い。
そのため、会話をせずに釣りをするというのは不可能な場所だ。
まあ別に会話を多少するのはいいのだが、コミュニケーション能力に長けているとは言えない僕にとっては、あまり向いてるとは言えない場所と言える。
ただそれでもまあ何だかんだ、上手くやっていた。


ある休日、いつものようにその釣り場に行った。正直、その前からモチベーションも高くなかったため、釣れなくてもいいからとにかく投げに行こうと思っていた。

投げサビキという釣りがそこでは一番釣れる。というかそれしか釣れない。
だから僕もそれをしていた。すると横の自信満々の、40代くらいの男性が色々話しかけて、レクチャーしてくれる。
まさに働き盛りとでも言わんばかりの父性的な男性であった。

正直、初めからずっとめんどくさかった。
別に教えてくれとも頼んでいないし、挨拶くらいしかしていない。
モチベーションも高くない。
でも彼は僕に釣らせようとする。

周りが釣れている中、僕だけ釣れていなかった事に見兼ねた彼は、「竿を貸してくれ」と言い、何度も仕掛けを組み直した。その中で、多くのアドバイスをした。
その内容は、2種類に分けられ「a.道具が悪い b.僕の腕が悪い」というものだった。

結果、釣れず。それだけなら別にいいのだが、彼の組んだ仕掛けで投げた時に、切れてしまい、道具が海に流されてしまった(自分で作った仕掛けで切れたのは、ここ半年以上なかった)。

この段階で、もう我慢の限界でストレスが半端なくて、笑顔が消えた。そこから、釣りが楽しくなくなった。まあでもまたやるけど。

この件で考えてたのが
この釣り場は彼のものなのか?ということだった。

それであれば納得できる。上にも書いたが、所有するということは、その所有物を自由に変化させていいということと同義だからである。

でもそんな訳がない。

公共の釣り場が誰か個人のものになるのは、ほぼありえない。

だから僕はイラついたのだと。

昔から「地元愛」というものが苦手だった。
街は誰かに所有されるものであってはいけない。誰かの管理下にあってはいけない。自由に、ドライにあるべきだと考えていた。

これは非常に偏った意見だと思うし、主観的なものだ。この考えの根幹には、地元の高校でイジメを受けたことがある。

ただ、釣りの件はやっぱりイラつく。
チクショーと思ったし、思ってる。

だって、お前の釣り場、お前の釣り道具、そしてお前のオレじゃないのだから。