見出し画像

2nd EP「MIND」ライナーノーツ

1.すなおに

この「すなおに」は、自身の失恋を素に描いた曲ではあるけど、恋愛だけでなく、全ての人間間での核心、人間故の情けなさをテーマにして作詞をした。

「ただ素直に生きる事って
とてもじゃないけど難しいから
それで僕は何を理由に
誰の心を踏みにじったの?」

サビのこの歌詞は、小学校の国語の教科書に載っても遜色ない位よりわかりやすく、且つ説得力ある簡単な言葉を意識した。
キーなのが「それで」に含まれた意味。
上2行に書いた事、わざわざ言わなくたって大人になれば「そりゃそうだ」で済む。でも「すなおさ」って僕からしたら凄い輪郭がある様で無いように思えて、だから本当の意味で素直になれていない人間が自分含め多数だなと思う。身の回りの環境もあるし。その上でそんな理由を並べて、話すべき自分の気持ちも話せず誤魔化して、「本当の意味での素直になれてない自分のせいで」を「それで」にまとめた。
そしてこの曲のリファレンスはRediohead-No Surprises。当時抱えていた素直の意味に対する感覚と、No Surprisesを聴いてる時の感覚が自分の中で凄く合致していて、このリフからRedioheadでは無く自分を載せたいと考え、「すなおに」が出来た。

2.Gigant Wave

ある日スタジオで4つのコードを持ってきてジャカジャカ坂尻に弾かせてた。それを聴いてたら、あのイントロのリフが聴こえてきて、俺が「トゥルルントゥルントゥントゥントゥトゥルルン...」と大竹の耳元で歌い、大竹の指板に起してあのイントロが出来た。革命か??とまで思った。Origami AngelやAge Factoryを中和させて且つ踊れる音楽が作りたくて、それの初めてが自分の中でGigantWaveだった。

「夢の成り行きは分からぬまま
季節をスクロールして」

このバンドが今後どんな風に進んでいくのか分からないけど今後もめちゃくちゃ楽しみだし、報われたなぁ〜って思って旅路振り返った時、カメラロールはどれくらいの季節を遡るんだろうか。あの時も最高だったな。あの時は最低だったけど、そのおかげで気づけた事って沢山あったな。そう思いながらスクロールしてく未来であって欲しい。そんな曲。

3.Heineken

大人になって分かってきたこと。大人になって子供の頃よりも、当然だった事にとんでもなく感動したり、生活の中のちっさい事でも乾杯と祝ったり。
その乾杯の熱量を、曲にしたくて出来た曲。
アウトロの英語みたいな言葉は宇宙語で、言葉としてなんの意味も無いけど、言語化する方が野暮な熱量として宇宙語をそのまま採用した。
個人的にHeinekenのロゴも味もビールの中でもめちゃくちゃ好きだったのと、友人達と河川敷とかで飲む時よく流れてた「Dance all night my friend」の歌詞からタイトルつけた。あの頃ってずっと思い出していたいからね。

4.with Summer Ends (2024ver.)

この曲はBlue,にも収録されていたけど、より研ぎ澄まされたリアレンジになったので再録。
歌もグルーヴも、2年前と全然違う。より艶のある曲となって晩夏を飾ってくれる一曲になるのでは無いかと。

「もうずっと何でもない涙や
誰かの優しさがずっと大切に出来たら
僕らの違いを認め合える事が出来ただろうか」

作曲当時の夏が終わる頃、同期のバンド仲間同士が仲が悪く、お互い違いを認めて食い違う意見も折り合いつけて、また気兼ねない関係でいて欲しい願いを込めた曲。

5.Orange

バンド単位でお世話になってた人が、音楽の仕事から離れる事になり、その時になんて言うべきか分からず、我儘に嫌だとしか言えなかった。
別れなんてこの先幾つもあるのに、言ってる場合か。って正気に戻り、せめて教わってきた音で送り出せるライブで、最善を尽くして返したい。
その日に向けて作った曲。

俺達はずっと馬鹿なままだから、
あの時はこうでしたねなんて思い出も適当に話して台無しにしたり、あの時に足りてなかった言葉を今更伝えたくなったり、人なんて忘れてく事ばっかだけど、良い時間だったのは間違いなく。
正しい送り出し方なんて分からないから、自分なりに、別れなんて歌いたくないし、またねなんて言いたくないその我儘を突き通して送り出そうと思ってこの曲を書いた。

6.BIG LOVE SONG

この曲は2年前のBlue,Release Tour中に完成した曲。ツアー初日のFLYING SONでToday is A Beautiful Day、SAVE THE YOUTH、The Ugoesに尋常じゃない温かみのある強さで「行ってこい」と背中押してもらい、その時の衝動がそのままパッケージングされた曲。この曲が出来てから、EverBrighteller自身、自分自身の芯の大部分が形成された感覚がある。このコード自体はツアー札幌編で、でかまるけんごの家に泊めて貰った時に出来た。最初はツアー中に出来たから曲名はTourにしようと思ってた。でもこの曲はあまりにも有機物過ぎて、人から貰った愛が強すぎる事に気付き、BIG LOVE SONG過ぎるかも...となり今に至る。

「あの娘に歌う愛じゃなくて
僕らが 今を愛せるような
名場面を繰り返す為に
僕らは歌うのさ」

この愛は、大事な人1人だけじゃなくて、爆音の中にいる全員と、名場面を繰り返して更新し続けて、今を馬鹿みたいに愛そうぜって曲。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?