詩 むむむ


未完の物語
途中で息絶えた作者たち
グライダー乗って
終始迫って
これで終わっていいのに
終わらせてはくれない

ああ静かになったというのに
鼓動からして前に
彷徨ったふりして往復する
いつのご飯だって美味しい
滑稽にも足下が消されていくのがわかるのに

何度か誓ったことがある
歴史に対抗して
逆風とはいわない どこまでも立ち向かうのは
器が見られていた

家のなかで隠れていたのに
人のなかにも風雨にも
曝される
隠す手段もその動機もわかっていない

たとえば火の玉が見えなくなったらどうだろう
たとえば何日も痩せ細ったらどうだろう
もしを想像するほど飢えには抗えず
外へ出た
曝される
でもこれでいい
標本になるよりは
凹んだまま自動ドア開けたって別にいい

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?