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ヤンデレ創作

今日は創作練習です。
ヤンデレ妹なサンプルシナリオを書いてみました。

超コメディです。よければ読んでみてください。

【サンプル概要】
■コンセプト:ヤンデレ妹に拘束されるコメディ
■テーマ:ヤンデレ妹と漏らす兄
■場所:妹の部屋(カーテン閉め)
■時刻:朝7時ごろ
■登場キャラ:2人
 ・兄
 ・妹
■作品想定:ADVゲーム


以下、本文。


——目が覚めると、
椅子に鎖でぐるぐる巻きにされていた。

【兄】
「いや、どういうことなの……」

座ったまま眠らされていたからか、
身体の節々が痛い。

だから背伸びをしたいのに、
腕すらもガッチリ縛られているらしく。

【兄】
「ぐぬぬっ、ダメだまったく動かねえ。
 なんでこんなことになってるんだ?」

【兄】
「今日が受験の日だから、
 倍率を下げるために誘拐された……いやないか」

【兄】
「というか、ここは——」

落ち着いて見回せば、ここは見覚えのある空間だった。

というか自宅にある、妹の部屋だなここ。
仲が良いから何度か入ったことが——

【妹】
「——あ、お兄ちゃん起きたんだー?」

【兄】
「妹! 助けてくれ、起きたら何故か」

【妹】
「もう暴れちゃダメだよぉ。わたしの一番大事な、
 体に傷が付いちゃったら大変だもん」

【妹】
「どこも怪我してないよね? してたら、私ぃ……」

そう言いながら彼女は俺の腕へと触れてくる。
……なんかいやらしい手付きで。

【兄】
「あ、あの〜妹さん?
 一体何をしてらっしゃるのでしょうか」

【妹】
「何ってぇ……
 いやん、恥ずかしいこと言わせないでよぉ」

【兄】
「本当に何をするつもりなのかなあ!?」

鼻先まで近付いてきた妹の瞳を見て思う。

あ、こいつ犯人だ。エグいくらい目が濁ってる。
帰ってきてハイライト。

【妹】
「ふふふ、これでお兄ちゃんとずっと一緒だね。
 もう絶対に離さないんだから」

【妹】
「これでお兄ちゃんは私のものだよ」

【兄】
「ど、どうしてこんなことを……
 それもよりにもよって受験の日に」

【妹】
「だってお兄ちゃんったら、
 私の気持ちに気付いてくれないんだもん」

【妹】
「ずっと一つ屋根の下で過ごしてきて、
 むしろよく我慢した方だって誉めてほしいな」

いや、最終的に我慢できてないんですがそれは。

【妹】
「あっ、お母さんたちには、
 ちゃんと説明しておいたから安心してね」

【兄】
「何をどう説明できるの、この状況」

【妹】
「お兄ちゃんは私が養うから大丈夫だよ♪ って」

【兄】
「何も大丈夫じゃないじゃん。
 お母さんたちも反対したでしょ?」

【妹】
「おっけー♪ だって」

【兄】
「軽いな両親。息子受験生だぞ。
 語尾に音符付けてる場合か」

能天気すぎないか、
息子がやんごとない危機に陥ってるんですけど。

【妹】
「ということで、お兄ちゃん。
 妹と一緒にイケナイお遊びしよっか♪」

【兄】
「どういうことなの……ってうおあっ!?」

彼女が俺のズボンへと手を伸ばす。
はあはあと興奮を隠すことなく涎垂らしながら。

【兄】
「や、やめろおおおお!? 
 お兄ちゃん養われちゃううううう!」

【兄】
「助けてえええ! 誰でもいいから、
 お兄ちゃんの貞操奪われちゃうからああああ!」

【妹】
「逃げようとしても無駄だよ。
 その鎖、ほどけないように絡まってるから」

妹に襲われること以上に、
一生このままなのではという絶望感が俺を襲った。

【兄】
「ちぇ、チェーンカッターを誰かああああああ!」

【妹】
「ふふふ、涙目で叫ぶお兄ちゃんも可愛い♪」

【妹】
「でも私との初めては、
 もっと幸福な気持ちになってほしいな」

そう告げて妹が取り出したのは……注射器!?

【兄】
「い、妹よ、ちょっと待とう。タンマ、ストップ。
 それ絶望と書いて幸せと読むタイプの愛だ」

【妹】
「ん? どうしたのお兄ちゃん」

なに分かってない振りして小首傾げてんだ、
我が妹ながら可愛いじゃねえか。

だが今はそれどころじゃない。
命の危機だ!

【兄】
「……妹はあれか、実は看護師免許を持ってる口か」

【妹】
「持ってないよ?」

まあそうだよな、学生だもんな。

【兄】
「じゃあその手に持ってるのは?」

【妹】
「お兄ちゃんの感度をうん千倍にするクスリ」

【兄】
「もうそれ色々とヤバいからさあああああ!?」

はい、違法。免許持ってようが関係なく違法だ。

犯罪だし、お兄ちゃん廃人になっちゃうし、
おほぉぉぉぉとか言う別ジャンルのゲームになるから!

【兄】
「ぎゃああああ!!
 助けて、童貞のまま死にたくなーい!?」

【妹】
「大丈夫、今から私で卒業だよ♪ 多分義理だし」

【兄】
「多分ってなに、どこらへんがメイビーなの」

旧に後付け設定みたいなのぶっこむんじゃねえ、
実妹派に消されるぞ……!

【兄】
「頼むからやめてくれ、
 後生だから……あとトイレ行きたい」

【妹】
「えー、せっかく用意してもらったのになぁ。
 トイレはダメです♪」

【兄】
「そ、そんなの使わなくても妹は魅力的だからさ!
 もう見てるだけで興奮するから!! なんでダメなの」

何とか回避しようとそう伝えたら、
妹へにゃりと頬を緩めた。

【妹】
「えへへ、
 お兄ちゃんったら性欲の権化なんだからぁ」

【兄】
「誉めるならちゃんと誉めて。あとトイレについて返答も」

【妹】
「よっ、お兄ちゃん歩く獣(けだもの)!」

【兄】
「しまいにゃ泣くよ!? いや、もう泣いてたか」

涙目が可愛いとか怖いこと言われてたな。

【兄】
「もう性欲の権化でも何でもいいから、
 とりあえず拘束を解いてくださいお願いします」

【妹】
「え、なんで?」

【兄】
「トイレに行きたいからだよ!」

朝起きたばっかりで、
膀胱に溜まってるんだよこっちは。

【妹】
「えへへ、心配しなくても、そのまま出していいよ♪」

【兄】
「あっ、だったら安心……ってなるかアホ!」

【兄】
「いいから早くトイレに行かせろ!
 鎖外せ! プリーズ、チェーンカッタアアアアアア!」

そんな叫びも虚しく、
彼女は両腕を抱えるようにして身をよじらせていた。

【妹】
「お兄ちゃんが年甲斐もなくおもらしだなんて、
 妹も滾っちゃうね!」

【兄】
「俺のプライドと精神、
 バチバチに燃やそうとしないでくださいます?」

【妹】
「この幸せを一人でなんて受け止めきれない……
 SNSでシェアしなきゃ!」

【妹】
「お兄ちゃん大好きアカウントのフォロワー10万人に、
 この幸せを共有だ♪」

【兄】
「お兄ちゃん社会的に殺されちゃうのおお!?」

というかフォロワー多いなおい、インフルエンサーかよ。
この国どんだけブラコンがいるんだ……?

【妹】
「うそうそ、ネットに出したりしないよ。
 大切なお兄ちゃんだもん」

【兄】
「大切なお兄ちゃんなら優しくしてくれ」

【妹】
「えへへ♪」

あら可愛い。鎖がなかったら拳骨入れてたぞ。

【兄】
「く、くそぉ……あぐっ、お、お兄ちゃんもう限界、なんですけど」

【妹】
「ええ!? ま、待って! 出しちゃダメ!!」

突然焦りだす妹。
もしかして最初から冗談だったのか?

うん、そうだよな。
妹の部屋で兄がおしっこ漏らすとか、家族会議ものだし。

【兄】
「ぐ、ぐぅ、分かってくれてお兄ちゃん嬉しいよ」

【兄】
「我儘には後でいくらでも付き合うから、
 今はまずトイレに行かせてくれ」

【妹】
「一眼レフで撮るからまだ漏らさないで!」

【兄】
「高画質で俺の恥を残そうとするんじゃねええ!
 斜め上の我儘してんじゃねえよっ」

うん、知ってた。最初から本気ですよね、分かるよ。
目がイっちゃってるもん。

ぐぅ、叫べば叫ぶほどに決壊が近づいている。

【兄】
「い、妹よ、お願いだから……もう……!」

【妹】
「仕方ないなあ……
 それじゃあ、お願いを聞いてくれる?」

【兄】
「聞く聞く、何でも聞くからあああ!」

そう告げた彼女は、
黒い微笑みを浮かべて俺の耳元へと唇を寄せた。

こそばゆい吐息が当たって、そして。

【妹】
「お兄ちゃん、私もっと一緒にいたいの。
 だから——」

妹は自身の大きく突き出した胸の隙間から取り出した、
俺の受験票をひらひらと見せ付けて。

【妹】
「——浪人、しよ?」

【兄】
「……その心は」

【妹】
「これで来年は同学年だね♪」

……

……………

【兄】
「いや、どっちも嫌なんですけどおおお!?」

【兄】
「……あっ」

【妹】
「にゅふふ、絶望した顔もかわいい♪」

この瞬間、兄のプライドは死滅した。

悲しみと共に、何とも言えない解放感を得て。
ただ静かに泣いた。

でもちょっとだけ、何か気持ちよくもあった。
認めないけど。

【兄】
「……ぐすん、もういいから拘束解いてくだざい」

【妹】
「滑り止めの受験日までダーメ♪」

【兄】
「2週間このまま!?」

こうしてお兄ちゃんの受難は、まだまだ続くのだった。

■暗転
■シーン終了

サンプルシナリオ、以上。


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普段はシナリオ・小説を作る際の思考法を記事にしてます。
こちらもよければ読んでみてください。

では、また次回お会いしましょう。


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