幸せを定義する その1

前回も書きましたが、この note では「サラリーマンが働くことで幸せになるとは」ということを言語化していきたいと思います。

そこで「幸せ」を定義することにします。ここがぶれてると、全然伝わらないと思いますので。

幸せ、と聞くとスピリチュアルや宗教的なアプローチを想像される方が多いと思いますが、ここではその手の考察はしません。せいぜい、マインドフルネス止まりだと思っています。そーゆーの期待してた人はごめんなさい。
では改めて、サラリーマンが働くことによって得られる「幸せ」とな何でしょう?

それぞれの幸せ

いい会社に入ってバリバリ働いていっぱい稼ぎ出世コースに乗って同期を抜いてメキメキ昇格しあちゃこちゃの異性と浮名を流して人生謳歌、なんて島耕作的な価値観はそろそろサラリーマンを引退されていると思います。
ただネットを見ていると、身分をサラリーマンに限定せず、自由にポジションを取りながらこのような生き方を体現している方も結構いらっしゃるように見受けます。さらにこのような生き方に憧れ、フォロワーとなって情報商材を追い求めている方々も多数いらっしゃるようです。
凡夫代表格の私には全く無縁デスね!

次に自分自身で考えてみます。
仕事ができない訳でもないですが「働きアリの法則」2:6:2分布でいえば6割に所属する万年平社員でお局マン、ちゃんと給料は得てますが住宅ローンでひーひー言って、おそらく世間並よりも家庭円満ですが趣味や自己研鑽の時間は家事・育児に追われ激減、とは言え贅沢を言わなければそこそこ幸せ、といった所でしょうか。似たような人生を歩んでいる方もいらっしゃると思います。

ではどちらがより「幸せ」なのでしょうか?

欲求と幸せ

マズローの欲求5段階説で考えてみます。
人間の欲求は5段階のピラミッドのように構成されていて、低階層の欲求が満たされると、より高次の階層の欲求を欲する」とされる説です。
これを低層から順に、働くことで満たされる欲求と対比させてみます。

生理的欲求  → 収入・最低限の労働環境
安全欲求   → 収入・良好な労働環境・社会保障
社会的欲求  → 帰属意識・所属・社会的役割
尊厳欲求   → 地位・評価・技術や能力の取得向上
自己実現欲求 → 正に自己実現・ありたい姿 (being) の探求

年齢や職種、ポジションによって若干違いがあるかも知れませんが、こんな感じだと思います。マズローは「社会的欲求」までが低次欲求としています。つまり人間の欲求としてはレベルが低く、より原始的な渇望と定義しています。非常に多くの人が幸せのモノサシとする「収入」は意外と低次欲求とされています。つまり収入だけでは次の欲求を欲してしまい幸せの頭打ちが来るようです。

事実、年収800万円過ぎくらい(75,000ドル)を頭打ちに幸福度の上昇は止まるそうです(Gallup社調査)。価値観の個人差はあると思いますが、日本で生きていくには、まあまあ十分な値ではないでしょうか。
逆に島耕作的にバリバリ稼いでも1,000万円を越えると幸福度は逆に下がっていくそうです。どうやら、幸せ目的であれば収入以外に源泉を求めないといけないようです。
※ちなみに人生の自己評価は、収入に比例して上がり続けるそうです。

ではいい会社に就職し出世コースにのるケースはどうでしょうか。
いい会社に就職し =社会的欲求、出世して地位・評価を得る =尊厳欲求、が得られそうです。尊厳欲求はマズローでは高次欲求とされており、高い欲求が満たされ幸せに近づいているように思います。

ところが、日本の幸福学の第一人者たる慶応の前野隆司教授によると、高次欲求である「尊厳欲求」的な即物的な欲求は長続きしない「地位財」の幸せだと評価しています。つまり金・モノ・地位では一時的に幸せになれても、手にした瞬間がピークでどんどん幸福度は下がってしまうそうです。これではあまり高次な感じはしませんね。そしてマズローでいう低次の欲求と対比される良好な環境や健康など「非地位財」は、長続きする幸せなのだそうです。

尊厳欲求と書きましたが、承認欲求と書かれる場合もあります。
こちらの方がイメージし易いかも知れませんね。この欲求はキリがなく「もっともっと」と追い求めてしまう傾向にあるように思います。
「幸せそう」ではありますが、どんどんエスカレーションしていつまでも「満足しなさそう」ですよね。SNS疲れ、映え行為、などが連想されます。

ここまで読んでみていかがでしょうか?
私の文章のミスリード感が強くなってきましたね。印象付けに気を付けて読んでください。

そう、何をもって幸福を感じるか、は個人の価値観によります。
がっつり稼いで、承認欲求を満たして、人がうらやむ収入・身分・贅沢な暮らしに強烈な幸せを感じる、という価値観を否定するつもりはありません。むしろ素直にうらまやしい。

ただし気を付けていただきたいのは、この幸福感は一時的、かつレベルが10倍がアップしても幸福の感じる度合いは横ばい、という事が統計で結果が出ています。お金持ちの皆さんは、なぜチャリティや慈善事業、アートや宇宙旅行にロケット開発、といった行為に走るのでしょうか?
稼いだり社会的に認められたり望むものを手に入れても、

その幸せは長続きしないから

なのだと思われます。
では、サラリーマンが長続きする幸せを手にするにはどうすればいいのでしょうか?皆さんも考えてみてください。

長くなったので次回に続きます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?