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当時から世間に注意喚起していた医師たち ②


では、前回からの続きとなります、、

3、戸田克広さん


「医師の無関心」とは、まさにその通り

戸田さんの専門は繊維筋痛症。つまり、精神科医ではありません。戸田さん執筆のこの冊子は、当時、私もダウンロードし、参考にさせて頂きました。現在でもここからダウンロード可能のようですね。

戸田さんに敬意を示したいのは、きちんと実名を出して、これだけの情報を一般人がアクセスできる形で公開されていたこと。というのも、当時もネット上で、ベンゾ常用量依存問題についてブログで細々と発信している精神科医も僅かにいた記憶がありますが、私の知る限り、実名を出していた精神科医はほぼゼロで、ハンドルネームでの発信が殆ど。残念ながら、発言に責任と勇気を感じる精神科医を目にすることはなかなか難しいようです。

また、この冊子とは別に、精神医学の専門誌に掲載されていた戸田さん執筆のベンゾ関連の論文を読んだ私は、戸田さん本人に連絡をとったこともあります。論文の内容について、どうしてもお伝えしたいことがあったから。そんな一般人からの問い合わせに対して戸田さんから届いた返事は、誠実で丁寧なものでした。

4、竹村道夫さん

2013年8月22日 読売新聞

赤城高原ホスピタル院長の竹村さん。竹村さん関連の情報で、私の記憶に強く残っているものは、なんといってもレトロ感あふれるこのサイト。今回のnote記事作成にあたり、もしかしてまだ存在するのかと10数年ぶりに恐る恐る検索してみると、当時のスタイルのまま竹村さんのコーナーが今なお更新され続けていてめちゃ驚きました笑

今ではえぐ過ぎる水準のレトロ感ですが、当時はこの見た目がスタンダードだったのです笑

さて、竹村さんは、現代精神医学でいう、いわゆる物質使用障害(薬物依存症、薬物乱用)の専門家。ここに注意が必要です。今の精神医学では、いわゆる常用量依存と物質使用障害(薬物依存症、薬物乱用)を厳密に区別するようになっています。

なので、竹村さんが登場するこの読売新聞連載記事でも、注意喚起されているのは、医師の指示通りの飲み方でも生じる、いわゆる常用量依存の問題ではなく、医師の指示に反した飲み方をしたり、複数のクリニックから薬を入手し乱用したりするケースの問題だと思われます。

かつてのDSMにおいては、いわゆる常用量依存も物質使用障害と診断されていたのですが、徐々に明確な区別がなされる診断基準へと変貌していったという経緯があります。

私が、このnoteの連載で、精神科医の皆さん、医療従事者、製薬企業関係者、そしてジャーナリストに問題提起したいのは、この診断基準の変更の背景には何があったのかということ。あるいは、診断基準の変更が何を引き起こしたのかということ。

私は、この物質使用障害診断基準の変更に精神医学と製薬資本の闇があるような気がしてならないのです。

その問題はいずれ詳述するとして、竹村さんの話に戻します。そんな薬物乱用が専門の竹村さんのレトロスタイルなサイトでも、確か、乱用問題だけではなくて、常用量依存の問題にも触れる投稿があったような記憶があります。ほんの僅かであったように思いますが。


5、松本俊彦さん

恐らく、ですが、2011年11月の旧ツイッター

いよいよ、松本俊彦さんの登場です笑 最早、私が敢えて紹介する必要もない、日本で最も著名な精神科医と言えるでしょう。みんな大好き、松本先生。頭のてっぺんから、恐らく足の爪先まで(足先を拝見したことはありません笑)お洒落に抜かりのない見た目も相まってなのかどうなのか、マスコミ受けも異常レベルで良いようで、信者と化した医療関係者やジャーナリストも少なくない印象。

写真の一連のつぶやきは、薬害界隈のコアな発信者たちの間でもシェアされていました。ちなみに、このツイッターで吐露されるエピソードはそっくりそのまま、松本さん執筆のオフィシャルな真面目な医学論文でも紹介されています。

「精神科医は白衣を着た売人か」

当時、松本さんはこう詰め寄られてぐうの音も出なかったのでしょう。私が深い依存や離脱に苦しんでいた頃、そしてアシュトンマニュアル日本語版が公開された頃というのは、クスリのリスクを殆ど何も知らない精神科医たちが、日本全国津々浦々で事実上のドラッグディーラーと化していたのです。こう言うと激昂される医師もおられるかもしれません。しかし、そう言われても仕方がない惨状が現実にあったことは、受け入れて頂かなくてはなりません。身内だけではなく世間に向けても投げられる松本さんの一連の嘆きを読めば、そう認めざるを得ないのではないでしょうか?

このnote記事は、精神科医への挑発ではなく、当時の精神医療のありふれた光景をありのままに振り返っているに過ぎないのです。

さて、この松本さんの旧ツイッターの一連のポストには、ある注意点があります。それは、先の竹村道夫さんのところで指摘した点と全く同じこと笑

プリントアウトした松本さんの呟きのうちの最初のポストを見てみましょう。

私はこうした事態への対策として、「ベンゾジアゼピンの依存性に関する卒前・卒後教育の強化」などといった、お決まりの提言だけでは生ぬるいと考えている。すでに患者は多数存在するのである。専門的な治療体制を整備し、医療のなかで生じた薬物依存を医療が責任をもって回復させる必要がある。

ここで言及されている「薬物依存」とは?

そう、私のケースのように、1人の医師が処方する用量で陥る、いわゆる「常用量依存」は含まれていないのです笑

医師の指示を守らなかったり、嘘をついて複数のクリニックで大量のベンゾを仕入れて乱用したりする薬物依存患者について、専門的な治療体制を整備して、医療が責任をもって回復させる必要があると、松本さんは力説されているのです。

常用量依存患者はほったらかしかーい!

皆さん、そう突っ込みたくなりませんか?笑

松本さんは、そういう意図はない、と返してくるかもしれません。しかし、薬物依存(薬物乱用)と常用量依存を厳密に区別すること、言い換えると、DSMが物質使用障害診断基準からいわゆる常用量依存を除外していったことこそが、この薬禍を引き起こしたと評価する私にとっては、松本さんの反論にも再反論する準備ができています。

私の胸の中には、松本さんや彼の信者さんたちに対して言いたいことが一杯に詰まっているのです。いつかの投稿でそれを吐き出します。それが私の使命とすら考えています笑

そんなこんなですが、松本さんが常用量依存について、どこにも注意喚起していなかったという訳ではない筈ですので、ここで紹介させて頂きました。

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では、今回はこの辺で、、次回登場の医師は、、内海さんあたりかなあ、、面倒臭いなあ、、笑

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